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辺鄙な国に就職した俺は勝ち組だった  作者: エトセン
序章
17/37

17

遅くなりました。


それでは、どうぞ


「ここは…」



…確か、俺はマスターとバトルをしていたはず…それで…


…思い出した!俺は負けたんだった…


やはり強かった…まだまだだな、俺は、




コンコン…ガチャ



「おっ、目が覚めたんだねアクト君。」


「サブマスター、ここはどこですか?」


「ああ、ここはギルド本部の一室だよ。…それにしても、凄かったよアクト君の闘いは!まさか、マスターと引き分けるとは!」


「引き分け?俺の負けではないのですか?」


「アクト君は覚えていないのも無理はないよ。アクト君が倒れたあと、マスターも倒れたんだよ。」



そうだったんだ…




ドタドタ…ガチャ



「おう、アクト元気か?」


「はい、まだ疲れは抜けきれていませんが、元気です。」



どうして、マスターは元気なんだ?不思議だ…



「それは良かったぜ。アクト、約束の景品だ!受け取れ!」



マスターは1つの箱を渡してきた。


なんだろう…見た感じ、武器や防具でもなさそうだし…はてさて、



「開けてみろ」


「では、」


…カパ


「これは…」


「これは、万能薬エリクサーだ。どんな傷、病なんでも効くぞ!流石に、死者の蘇生はできないけどな。」


「こんなのもらえません!絶対に高いですよね!」


「ああ、まあ高いって言ったら高いが、SSSランクの依頼の報酬で買えるか買えないぐらいだ。だから、アクトでも買えるぞ。気にするな。」



えっ、エリクサーって、そんなもんだっけ…



「エリクサーって秘薬とか言われてませんでしたっけ?マクリート王国だと王族しか使えないほど貴重で高価な薬なんですよ!それなのにこんな俺に景品として渡していいんですか?」


「心配ないですよ、アクト君。確かにエリクサーは他国からすればそりゃあもう秘薬中の秘薬で貴重ですよ。」



続けて、サブマスターはこう言う



「でも、それはブレッサム王国以外の話です。ブレッサム王国ではエリクサーのレシピは確立されています。それでも、材料は貴重で、設備も揃っていないとできないので、国で管理していますが。よって、私たちでも手が出ない程でも無いのです。」


「えっ!エリクサーってレシピが確立されているんですね!知りませんでした!…それでは、マスター、ありがたく頂戴します。」


「おう、貰っとけ。あとこれ、証明書な。」



証明書もあるんだ…


ブレッサム王国って、スゲー…





「よし、景品も渡し終えたことだし、帰るか!もういい時刻だ。」



気づいたら、もう夜中だ。


さて、帰ろう。体を起き上がらせると、不思議と体の疲労は完全に抜けきっていた。


「大丈夫そうだな。アクト、ラーガンに感謝しろよ。ラーガンは疲労回復の魔法をかけてくれたんだからな。」


「そうなんですか!ありがとうございましたサブマスター!」


「いえいえ、礼には及びませんよ。いいバトルも見せてもらいましたし、見物料です。」



サブマスターは回復系なのか。


すごいな、あれだけの戦闘の疲労が直ぐに取れるなんて!






俺たちは、それぞれギルド本部を後にした。





そして、俺は寮に帰ってきた。


はあ、疲れたな、さて部屋に戻って寝ようかな…


そう考えていると、バシッと突然背中を叩かれた。



「よう、お疲れさんアクト!歓迎会は楽しかったか?」


「ああ、楽しかったぞイワン。そっちはどうだった?」


「こっちも楽しかったぞ、いやあ食った食った!…おっ、そうだアクト、これから一緒に風呂入らに行かないか?ここの寮の風呂は気持ちいいらしいぞ。」


「へー、風呂か…いいな、行こうか!」


「よしっ、決まりだ!」


「あっ!アクトとイワンだ!歓迎会お疲れ様!ところでどうしたの?」


「やあ、トップスお疲れ様。」


「おお、トップスいいところに来たな、これから二人で風呂に入りに行こうとしたところだ、お前も来るか?」


「うん!行こうかな!」


「それじゃあ、3人で風呂に行くぞ!」




――――――――――――――――――




風呂は気持ちよかった。湯船は広く、露天風呂もあってすごくよかった。



芯まで温まるーー



「はぁー、気持ちいいー。」


「そうだなー」


「そうですねー」


「そういえば、トップスは歓迎会どうだったよ?ちなみに軍務省は楽しかったぞ。腕相撲大会もあったしな。残念ながら、俺は負けちまったがなー」


「そうですね、財務省も楽しかったですよ。先輩たちとたくさん話しましたし。そういえば、アクトはどうでした?」


「…ん?こっちは楽しかったけど疲れたぞ。」


「へー、何したんだ?」


「マスターとバトルした」


「えっ!あのマスターと!で、結果はどうだった?」


「引き分けだった…らしい。俺が倒れた後にマスターも倒れたらしい。」


「スゲーなアクト!今度俺とも戦ってくれよ!」


「気が向いたらなー。」


「おう!お疲れさんだアクト!」


「お疲れ様、アクト!」


「ありがとー」



俺たちは、浴場で歓迎会のことで盛り上がった。







――――――――――――――――――





「おやすみー」


「おう、また明日!」


「おやすみなさい、二人とも」



そして、俺たちはそれぞれの部屋に戻った。



そして、布団に入り、今日あったことを振り返った。



SSSランク冒険者になって、入庁式をやって、グレン様が陛下だと分かって…寮のオリエンテーションを受けて、ギルドに行って、歓迎会して、マスターとバトルして、トップスとイワンと風呂入って…




はぁぁー、本当に疲れた。精神的にも。


それでも、楽しかったなあ…


面白そうな職場に、隣人…








…母上、父上うまくやっていけそうです。これからもどうか、見守っていてください。










エリクサーはブレッサム王国で、一本白金貨1枚ぐらいです。



読んでくださりありがとうございました。


誤字、脱字等ありましたらお知らせください。

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