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やっと、ブレッサム王国1日目が終わりました。予想以上でした。
「いただきます」×6
空間魔法(転移)を習得した俺は、ビターベル一家と食堂にて夕飯を頂いている。
メインはミートソースパスタだ。
まず一口、
ん!ん!うまいっ!
トマトの酸味と甘み、ひき肉の旨味全てがパスタに絡み合って、すごくうまい!
ここの料理人凄いな
「美味しそうに食べているな。こちらも嬉しいよ。」
「はい、美味しいです!」
また一口、また一口、やめられない
…ああ、もう食べ終わってしまった。
「ごちそうさまでした」×6
「美味しかったです。ありがとうございました。」
「うむうむ、喜んでもらって何より何より。」
そして、また俺はビターベル一家と語り合った。この国の話を聞いた。港町は賑やかで、魚が美味しいらしい。それと、港町を治める子爵が年に一回祭りを開催しているらしい。
楽しそうだ。是非行ってみたいものだ。
そういえば、
「あの、気になったんですが、」
「ん、どうした?」
「この国の貴族制ってどうなっていますか?」
「おお、教えていなかったな。…よし、ちょうどいい機会だ。ロイス、説明してみなさい。」
「えっ、僕がですか?」
「ええ、そうですよロイス。あなたが説明しなさい。ふふふ、楽しみですね。」
サーラ様がにっこり笑う。
「…はあ、分かりました父上、母上。アクトさん、不肖このロイスが教えましょう。まあ、父上には劣りますが…」
「ああ、構わないさ。頼むよ、ロイス。」
「はい、分かりました。では、説明させて頂きます。」
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ロイスの話は要を得た説明で、分かりやすかった。まとめると…
男爵
小さな街の領主。又は中央各官庁のナンバー3
子爵
大きな街の領主。又は中央各官庁のナンバー2
伯爵
中央各官庁のナンバー1、つまり大臣
侯爵
宰相。4家の侯爵家で4年交代で、持ち回り。宰相となった侯爵以外の3人の侯爵は宰相の行政を監視する。
公爵
王家の親族。現在はビターベル家のみ。
こんな感じだ。
マクリート王国とは少し違うんだな。
「説明ありがとう、ロイス。分かりやすかったぞ。ありがとうな」
「どういたしまして」
「ロイス、いくつか聞きたいことがあるんだが、いいか?」
「はい、構いませんよ」
「まず、領主の貴族は伯爵に陞爵されたらどうなるんだ?領主のまま、伯爵となるのか?それとも領主をやめるのか?」
「原則として、領主の貴族は伯爵に陞爵されません。アクトさんが言ったようにそんな事態になったら困りますから。伯爵になるには、中央官庁に勤めて陞爵されなければなりません。」
「理解した。…次に、貴族の不正行為の処罰はどうなっているんだ?」
「はい、その貴族は死罪です。その残った一族はブレッサム王国から追放されます。」
「それはそうか。分かった。ありがとう。」
「いえいえ。アクトさんがこの国のことを理解いただけて何よりです。」
「…うむ、ロイスご苦労だった。いい説明だったぞ。」
「ええ、そうね。ロイスよかったわよ。」
「ありがとうございます!父上!母上!」
そして、しばらくの間また語り合った。
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今度は俺の話だった。
グレーガス様が赤竜討伐の話を所望され、俺は恥ずかしがったが、その時のことを話した。
すると、
「すごいですね!アクトさん!!」×3
すごく目を輝かせ、ロイス、マーク、アニーが俺の方を向いていた。
なんか恥ずかしいな、
「あの赤竜を倒したのはアクトさんだったんですね!」
「カッコいいです!アクトさん!他にも話し聞かせてください!」
「アクトさんと出会えて私光栄です!」
と、それぞれ言われ本当にはずかしかった。
グレーガス様とサーラ様はというと
「うむうむ」
「ふふふ」
ダメか、助けてくれない。
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「おっと、もうこんな時間か。アクト君も温泉に入るといい。この国は温泉が多いことでも有名だぞ。それと、部屋は客間を使ってくれ。メイドに案内させる。…アクト君、また明日だ。」
「はい、グレーガス様。明日もよろしくお願いします。」
俺は温泉に入り、客間にきた。
温泉はとても気持ちよかった。体も心も温まった。
さて、寝るとしよう。明日はどうなることやら、
読んでくださりありがとうございました。