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奴隷から始まる異世界マネーウォーズ   作者: 鷹司鷹我
変異トロールとの戦い
35/110

少女と後日談

「あなたは・・・・・・誰?」


箱を開けたフォートに、エルフの少女は震えながらそう尋ねた。フォートは困ったようにソーマの方を見る。


しかし、助けを求めて自分の方を見るフォートに、ソーマは助け船を出さなかった。離れたところから二人のことを見ているだけだった。


フォートは仕方なくエルフの少女に向き直る。


「・・・僕たちは冒険者だよ」


その答えを聞いたエルフの少女は、ひとまずは安心したようだった。


「あ・・・あの、モンスターは?」


「あ、そいつなら僕たちが倒したから安心していいよ」


少女は“ホッ”と胸をなで下ろす。


「わ、私以外に誰か生きている人は・・・・?」


答えに困る質問に、再びフォートは閉口してしまった。しかし、答えないわけにはいかない。


「たぶん・・・みんな死んでるよ」


フォートからの答えを聞くと、エルフの少女はただ一言


「教えてくれて・・・ありがとうございます」


そう言って、涙を流し始めた。






~異世界での活動についての記録~

トロールを倒した後、僕たち4人はイノシシ狩りをした村に向かい、そのままギルドへと戻った。


変異種のトロールとそれによって壊滅したエルフの村。そしてそれを倒した3人の冒険者――つまり僕たち――のことは瞬く間に帝国中に広がった。(ケンがソーマという偽名を使っているのも納得だ。もう僕たちの名前を知らない人は居なくなってしまった)


そして予想通り、僕たち二人は銀等級、シャルーナさんは金等級にランクアップした。ちなみに、最初の依頼で一気に白色から銀にランクアップしたのは僕たちが初めてだそうだ。


そんなわけで、瞬く間に人口に膾炙されるようになった僕たちだったが、全てが良かったというわけじゃない。


良かったと言うには、今回の事件は失った物が多すぎた。




シャルーナさんはずっと一緒に冒険者をやってきた仲間を失ったわけだし、リンナは家族と、故郷を失ったのだから。


・・・あ、リンナというのは僕たちが出会った、あのエルフの少女のことだ。


リンナは結局、しばらくの間はギルドで預かることになるらしい。それから、どこか引取先を探すことになるそうだ。


そんなわけで、僕たちの初めての冒険は、大成功とは言えない結果で終わりを告げたのだった。


久しぶりの投稿なのに少なくてすみません・・・

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