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死んでみろよ
一回死んでみろよ
そうすりゃわかるよ なにもかも
世の中からっぽにしてさ
自分からっぽにしてさ
大切な何かをからっぽにしてさ
そうやって君は言うけれど
僕にはその勇気がないんだ
摩天楼を眼下にのぞんだって
そこに飛び込む勇気はないんだ
ケラケラ嗤う衆人に
ゲラゲラ嗤う自己防衛
いいんだよ
結局そんなもんさ 自分なんて
一回手首でも切ってみろよ
なんも変わんないぜ きっと
君はそう言うけれど
僕は何百回と切っている
そう君の言う通りだ
何も変わらない
百八の心が躊躇わせる
なにかどうかなるんじゃないかって
百九のとき気づいたよ
赤い夕焼けは綺麗なんだ
死にたくなくなるほどに