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09(ニート誕生!)

――俺は高校を卒業して晴れて自由気ままなニート生活が始まった。実家の近くに3LDKのアパートを借りて。勿論、出資するのは親だ。当然だ、散々労働させたんだから。月に15万円は安いくらいだ。


 朝から晩までテレビゲームのネット対戦をする。時々、ワイドショーを観て休憩。そんな生活が数ヵ月続いた。


 たまに兄が差し入れをくれる。


「今日はフライドチキンか! 丁度夕飯の買い出しに行くところだったんだよ。建谷兄ちゃん、毎度あり」

「何が毎度だ。アルバイトくらいしたらどうだ?」

「そうだな〜、建谷兄ちゃんのスカイラインを貸してくれたら、1日頑張ってみる」

「R32のGTSーtタイプMだぞ?」

「ドリフトもやらないで機械式のデフを入れるなよ」

「免許証を見せてみ?」


 財布から運転免許証を出して見せる。


「どう? 上手く撮れてる?」

「そうじゃなくて、マニュアル車オーケーなんだな?」

「8トンまでね。それと原付も運転出来るよ」

「で? 1日、スカイラインを借りて何をするんだ?」

「円書きくらいはやっておきたいじゃん。山奥の姫島に大きな駐車場があるよね。今夜辺り行こうよ」

「壊したら、働いて弁償してもらうからな?」

「オッケー! ぶつけたら弁償してやるよ」


 モータースポーツはゲームの次に好きな事。F1、D1、ラリーが好きだ。壊さない自信はある。ドリフトのビデオ、DVD、ネット動画を穴が空くまで観た。


 姫島の駐車場まで20キロメートルくらいだ。俺の運転で行く。


 兄がタバコを吸う為にウインドウを開ける。すると、スキール音が聞こえてきた。


「平日にやってる人が居るんだ、暇なんだな〜」

「二谷、本当にやるのか?」

「ビビってきた? 大丈夫だよ、アハハ」

「ビビってねえよ! 心配なだけだ」


 兄はタバコを吹かしながら言った。


 駐車場に着く時に3台のスポーツカーとすれ違う。丁度帰るところか。


「じゃあ早速やるから」

「壊すなよ!?」


 俺は車を駐車場の中央で停め、クラッチを切り、ギアを1速に入れ、アクセルを踏み、クラッチを一気に繋ぐ。リアタイヤが空転して左右に振れる。取り敢えず、ステアリングを右に回し、車を回し出す。


「おいおい! 壊れちまうよ!」


 レブがレッドゾーンに入る。一旦、車を停めて、2速にギアを入れて、今度は左回り回転する。自然とカウンターを当てる。


「アハハ、おもしれえー! 足周りはアンダーステアなんだね」

「知らねえよ、そんな事!」


――30分くらいやってると、兄が「そろそろ止めよう、マジで」と制止する。

「分かった。余は満足じゃ」

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