20(自分ルールを押し付ける奴)
――俺は久しぶりに32番フィールドにインする。手頃なテーブルは……、一撃死ルールのは1つだけか。
俺はそのテーブルに入る。すると、すぐにエントリー出来ませんと出た。バグかな? テーブルを立ち上げたプレイヤーに報告する。
「エントリー出来ないんだけど。バグ?」
『クレイジーモンキーさん、あなたに100回近くキルされてる。キックしましたから、荒らしめ!』
俺は荒らしてるつもりはない。ただ単に強いだけ。
「雑魚キャラらしい台詞ですね、弱いから負けるんですよ。勝てない理由を周りのせいにしてはいけませんよ、アハハ。素人のガキですか?」
『お前ムカつく』
ソイツはログアウトした。成敗!
32番フィールドは肌に合わなくなった。一番盛ってる1番フィールドにインする。
『やあ、クレイジーモンキーのダンナ〜』
「スマートモンキーか、久しぶりだな」
『もう案内は要らないでさあ。しかし、バージョンアップで桟橋ステージが追加されましたあ』
「どんなステージだ?」
『陣地と陣地の間を行き来できなくて、遠距離戦メインのステージでさあ』
「面白そうだな、やってみるよ」
『そう来なくっちゃ』
俺は桟橋ステージの一撃死ルールのテーブルに入る。
パッと、戦闘画面に切り替わる。俺はレッドチームに振り分けられる。
すると、参戦者一斉ボイスチャットが来る。
『桟橋ステージではスナイパーライフルは禁止ですからね〜』
俺は試しにスナイパーライフルで敵を1体、狙撃する。ボイスチャットをした奴だ。
「なんだ、スナイパーライフル使えるじゃん」
『だ〜か〜ら〜! スナイパーライフルは使っちゃダメだってば!』
「何で? そんなルールがどこにあるの? ああ、自分に不利だから妙な自分ルールを押し付けるのか、アハハ」
『クレイジーモンキー、お前ムカつくな〜!』
俺はソイツをスナイパーライフルで狙い6連殺した。成敗!
弱いくせに自分は強いと勘違いしてる奴はこういう自分ルールを他人に押し付ける傾向にある。
今日の戦績は敵キル数5700、トップ撃破勲章は14つ。敵陣地は32箇所落とした。ギャラリーは盛り上がる。
今月のギャラはいくらかな? アハハ。




