19(1年後。初心)
――それから、約1年が過ぎた。俺の総キル数は50万を超え、ダイ数は未だに4桁。多い時は7千キルいく日もあった。
リアルでは柊ゆう子と一度付き合う事になったが、すぐに別れた。仕方ない、ウォーライフの収入は年収換算で300万円程度あったが、何よりプレイ時間が長い。満足させてあげられなかった。
親には収入はないと嘘を言って、毎月15万円を振り込ませていた。真実を言ったところで信じてくれないだろう、遊んで金を貰えるなんて、頭の固いナードには。
俺はウォーライフで日本人トップの戦績になったが、観客プレイヤーは親クレイジーモンキー派と反クレイジーモンキー派に別れていた。
プロプレイヤーは俺を避けるようになった。俺と違って生活が懸かってる。簡単に殺られる訳にはいかない。しかし、上位プレイヤーはあまりにも腰が引け、好戦的じゃないと指導を取られる。柔道のように……、嫌な事を思い出した。
プロプレイヤーが多い欧米人の間でも【クレイジーモンキー】のハンドルネームを知らない者は居ない。皆、俺を恐れてる。
俺はずっと独りぼっちだったから、気にもしない……。
1人、俺に挑戦するアメリカ人プレイヤーが現れた。ハンドルネームは【テンプルトン・ペック】
偶然か!? 昔やってた対戦型格闘ゲームの世界ランク1位。しかし、日本人だったはず……、亡くなったはず……。やはり、偶然か。
『クレイジーモンキーさん、サシでやりましょうよ』
「一撃死でショートステージ、時間は10分ね」
俺はワクワクしている。アドレナリンが出る。
「分かりました」
闘いが始まる。まずは狙撃で1殺。それから9連殺、出会い頭で。こっちのが反応が速い。向こうもスナイパーライフルを使うが俺には当たらない。……消えた? 落ちた訳じゃない。どこかに潜んでる。俺は高台に移動してスナイパーライフルを構え、ペックを探す。すると、バキッ! 俺はパンチで殺られる。俺は復活してペックの後ろを取る。バン! それと同時にタイムオーバー、10分経った。11対1。
「パンチで殺られるとはな。初心を思い出したよ。ありがとう、ペック」
『こちらこそ、ありがとうございました!』




