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18/31

18(女って解らん)

――20分後、結果は27対11で勝利した。俺の戦績は20キル1ダイ。


 フィールドに戻ると、またスマートモンキーが待っていた。


『やりやしたね。200連殺してたハリーを4回も殺るなんて』

「間抜けな死に方したけどね」

『金銭がかかる以上、チートを使ったら何らかのペナルティがあるでしょうや。相手のペースに引き込まれない、ブレない戦い方やしたね』

「そうか、ありがと。一旦落ちるから、またな」


 俺はログアウトする。目がチカチカする。これにも慣れなきゃな。


 ピンポーン。チャイムが鳴る。防犯モニターを見ると、ゆう子さんだ。


「こんにちは〜」

「今出ますね」


 ドアを開ける。


「二谷さんって本当にクレイジーモンキーなんですか?」

「ああ、さっきイギリス人プレイヤーと対戦して初黒星ですよ、アハハ」

「観戦してました。凄く強いですね。敵陣に突っ込む戦い方はクレイジーセオリーなんて呼ばれてますよ」

「案内AIのスマートモンキーに色々教えてもらったからね」

「えっ!? 案内AIが付いてるんですか!?」

「付いてるってか、皆に付いてるんじゃないの?」

「選ばれた人にしか案内AIは付きませんよ。過去のネトゲの戦績とかを元に割り振られるってインフォメーションに出てましたよ」

「そうなんだ、知らなかったな」

「今は休憩ですか?」

「うん、まだ慣れなくて」

「ある意味凄いですね、フフフ」

「まあね……仕事は休み?」


 俺のバカ! 不躾な事を聞いてしまった。


「夜勤ですよ…………でもそろそろ退社かな?」

「辞めちゃうの? 勿体ない」

「水商売なの」

「ウォータービジネス!?」

「なにそれ、フフフ。兄が高校生の時に通り魔に殴られて右腕が使えないの」

「そりゃ災難だね」

「兄の為に少しでも頑張ろうとしたけど、昼の仕事はどうやら元本割れね。真っ当に働くわ」

「ウォーライフで稼ごうとしたの!? いくらニートの俺でもそこまで楽観的じゃないよ?」

「ニートなのね」

「あっ、子供の頃に強制労働させられて……、トラウマなんだ」

「ありがちな理由ね」


 何、急に怒りっぽくなるんだよ? 女って解らん。


「……鍛えてやる。俺がゆう子さんを稼げるようにしてやる!」

「もういいの。ありがたい申し出だけど。二谷さんの戦いぶりを観て悟ったわ。私には向いてない、無理ってね」

「そうか、諦めて軌道修正するのも大切だからね」

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