12(クレイジーモンキー)
5分間も暇だ、何して待とうかな? 取り敢えず、テレビを点ける。丁度ウォーライフのコマーシャルをやってる。
『戦いの人生、ウォーライフ! 成績優秀者にサプライズが!』
サプライズは賞金の事かな? 楽しみだぜ!
俺はヘッドマウントディスプレイを装着してみる。『ダウンロード完了』の文字が出てた。
体験版2のステージに入ってみると市街地だった。
『ライフルデバイスの引き金を引くと、ゲームスタートです』
今度は音声か。俺は引き金を引く。すると、廃墟となったビル群でまた、チュパカブラみたいなモンスターが襲い掛かって来る。
胴体に弾丸を当てても死なない。ヘッドショットなら一撃だ。新たに3体のモンスターが現れる。
ライフルが弾切れだ。ハンドガンに変更して頭を狙って撃つ。残った2体に手榴弾を投げて撃破する。楽しい! アドレナリンがドバドバ出てる! これを人対人でやったらさぞかし楽しいだろう。
ヘッドマウントディスプレイを外して電源をオフにする。
俺は悩む。ウォーライフの本編が始まるまで体験版を徹底的にやるか、格闘ゲームの配信終了まで徹底的にやるか。
俺はウォーライフの体験版を優先的にやる事にしたが、すぐに変更する。格闘ゲームの配信終了が来月いっぱいだと思っていたが、来月になった時点で配信終了だという事に気付いた。
今日は28日。残り2日半と画面にインフォメーションが出てた。
俺は急いで始める。俺は探す、世界ランク1位のユーザーを。
日本人なのは判ってる。ハンドルネームは【テンプルトン・ペック】
居ない……絶望から世捨て人にでもなったかな?
すると、チャットが来て、『世界ランク126位の“タツクマ”さん、最後に一戦しませんか?』世界ランク14位のユーザーか。面白そうだな。
「“コング”さん、良いですよ」
――結果は残りキャラ1対0で勝った。
「良い経験になりました。来月からウォーライフを始めます」
『実は私もウォーライフを買って準備はしてるんですが、体験版をなかなかクリア出来なくて』
「そうですか、ところでランク1位のテンプルトン・ペックさんを知りませんか?」
『彼なら、もう来ませんよ。交通事故で亡くなりましたから』
「えっ!? 嘘…………もう戦えない……」
『君なら、いいかもしれない』
「何がですか?」
『次世代のEスポーツを牽引するのは君だ。10代でこの強さ。ペックから君にこのハンネ“クレイジーモンキー”を貰ってくれ。日本人にしか由来は分からない』
「分かりました、ウォーライフのハンドルネームは【クレイジーモンキー】にします!」
『ありがとう。ペックも喜ぶよ』




