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最終話 エピローグ

こんばんわ!

俺アプ、遂に最終回です!

寶藍、ステイシーら留学生が帰国してからおよそ半年が経過した。俺達は無事に3年生へと進級し、いつもと同じ日常がまた戻ってくる。

「行ってきまーす!」

「俺も行ってくる!」

「行ってらっしゃーい、気をつけてね。」

朝、お袋が見送る中俺は親父と一緒に家を出て学校へと向かう。すると、親父が俺に話しかけてきた。

「タク。」

「なんだよ。」

「寂しいか?」

「どうしたの?急に。」

「ボラムちゃん、ステイシーちゃんが帰国してからもう半年位経つからどうかなって思って。」

「そりゃあ、まあ…寂しいかな。」

俺は素直にそう言った。あいつらがいなくなってからつまらないわけではないが、少し静かになった気がする。

「そうだよな。父さんもだ。連絡は取ってるのか?」

「まあ、SNSもあるから連絡取ってるよ。」

「ならよかった。二人はお前の花嫁候補だ。繋がりを断ってはダメだぞ!」

「朝から何言ってんだよ。でも安心して!あいつらとは今後とも仲良くするから!」

「ならいいんだ、じゃあな!」

親父はそれだけ言って仕事に行った。俺も学校行かないと!


いつも通り、電車とバスを乗り継いで俺は学校に到着した。朝日が照らされたキャンパスを歩いていると…。

「おはようでござる!モリタク殿!」

「おう、おはよう幹夫!」

幹夫がいつも通りボサボサの天然パーマを靡かせ、そして眼鏡を光らせながら登校してきた。これもまあ、去年までと同じ光景だ。そして…。

「タク兄、おっはよー!ちょっと待ってよぉ!」

従妹の春香が走ってこっちに来た。春香は無事に教育学部の入試の合格し、晴れてこの四月からこの大学の1年生になることが出来た。

「春香、同じバスだったのか。」

「そうよ!ギリギリ間に合ったけどね!安西さんもおはようございます!」

「おはようでござる!」

春香は幹夫にも挨拶をした。俺は春香に近況を聞く。

「良かったな。どうだ、学校生活は?」

「楽しいわ!友達もできたし、今日も吹奏楽部の練習あるからわくわくしてるの!」

「そうか、なら俺も嬉しいぞ!」

そう言うと、春香は悪戯っぽい小悪魔染みた目で見つめながら言ってきた。

「タク兄。」

「何?」

「今年中にボラムさんとステイシーさんのどっちと付き合うか決めてよね!」

「答えを急がすなよ。」

「だって、二人に好きって言ったんでしょ?待たせるのは女の子に失礼よ!」

そうは言うものの、有希子先輩の件もあるし慎重に考えねばならない。安直に決めるのは相手にも失礼だし。

「そうでござるよ、モリタク殿。口だけにするのは男らしくないでござる!」

「分かってるって!」

「因みに、某は世界の子供達と仲良くするという将来の夢を一度も曲げたことはないでござる!卒業の暁には世界中のちっちゃくて可愛いこといっぱい接することが出来る…ハァハァ♡想像しただけで大興奮でござる!」

顔を赤くしながら幹夫は大声で叫んだ。通報しようかと思ったが今日は大目に見てやろう。そう思いながら違う教室の春香と別れ、俺と幹夫は授業へと向かったのだった。


放課後、サークルにて。

「じゃあみんな、今年の長野合宿の最終調整よ!」

サブカル研の会室で新会長の夏美先輩がホワイトボードに字を書きながら言った。俺は副会長に着任し、新入生も3人入ってきた。

「合宿当日までに各自学園祭での出店内容を考えてきて!あっと驚くものをね!」

「「ハイ!」」

俺達は力強く返事をし、その後も集合時間や現地での日程を色々と話し合った。今日も無事に終わり、みんなで会室を出る。

「ボラムちゃんとステイシーちゃん、元気にしてるかな?」

「気になりますよね。私の最新作、あの二人にも食べてもらいたいなぁ。」

夏美先輩と春菜ちゃんがふとそう言う。俺はそんな二人に教えた。

「あいつらなら元気ですよ。SNS見る限り結構楽しんでるみたいですし。」

「そうなんだ。」

「良かったです!」

夏美先輩と春菜ちゃんは嬉しそうにそう言った。みんなやっぱり気になるよな。

「モリタク先輩。」

「どうした優太?」

「いえ、僕は優太です。あ、すいません!」

「合ってるじゃん!」

「ごめんなさい、間違えられているイメージしかなくって。」

謝る優太。さすがにもう覚えたぞ。

「先輩はやっぱりボラムさん、ステイシーさんが好きだったんですか?」

「ああ、勿論。だから楽しかったんだ。」

俺はそう言った。離れて半年もたつと少し恋しくなってくるな。今度は蒼太が聞く。

「またいつか会う予定ですか?」

「いつかは分からないけど絶対会うつもりだ。そんときはお前らにももちろん知らせてやるよ、蒼太。」

「ありがとうございます。ついでに覚えてくれてありがとうございます。」

そんなことを話しながら俺達は楽しく帰宅した。いつかまたあいつらに会いたい、そんな思いを胸に秘めながら。


ある日の休日。

「タク兄、これでどう?」

「そう来たか、じゃあこれでどうだ?」

「ああっ、また負けた!タク兄強すぎ!」

春香が俺の家に遊びに来ていた。親父とお袋は買い物に出かけていて、今は俺達二人だ。丁度格闘ゲームで対戦して俺が勝った時、異変を感じた。

「タク兄、玄関の前で何か聞こえるよ?」

「ん?ホントだ?女性の怒鳴り声みたいだぞ?」

何やら数人の女性がうちの玄関の前で喧嘩しているようだった。近所迷惑なので二人で注意しに行ったとき、俺は目の前の光景に驚かざるを得なかった。

「抜け駆けなんて卑怯じゃない!」

「泥棒猫はそっちよ!」

「1年ぶりなんだからいいじゃない!」

「ちょ、ちょ!何なんだこれは?」

俺は思わず声を上げた。目の前にいたのは…。

「タクちゃん!」

「タクト!」

「森くん!」

寶藍、ステイシー、そして有希子先輩だった。な、何で?

「ど、どうしたんだお前ら?っていうか何で先輩は俺の家知ってるんですか?」

「また来るって言ったじゃない!」

「ホントはもう少し先にするつもりだったけど我慢できなくて来ちゃった!」

「昨日帰国したから会いに来たのよ!あ、場所は橋本君が教えてくれたわ!」

それぞれ理由を言う3人の美女たち。まぁ、また会おうと思ったけどまだ半年しか経ってないぞ。まぁ、有希子先輩は1年ぶりだけど。後ろを見ると春香が驚いた表情でこっちを見ている。しかしすぐに笑顔になった。

「わーい、ボラムさんステイシーさん久しぶりです!」

「あら、春香じゃない!少し背のびた?」

「久しぶり、元気そうでよかったわ。」

春香は二人の所に駆け寄った。すると、有希子先輩が首をかしげる。

「森くん、この子は誰?」

「あ、俺の従妹の栗原春香です。」

俺がそう言うと、春香が自己紹介を始めた。

「初めまして。タク兄の従兄の栗原春香です!今年からタク兄と同じ、西東京国際大学の教育学部に通ってます!部活は吹奏楽部です!宜しくお願いします!」

「へぇ、こんな可愛い従妹がいてしかも私の後輩じゃん!私は綾瀬有希子。国際教養学科4年で昨日イギリス交換留学から帰国したの。よろしくね!」

「タク兄、こんな本仮屋ユイカそっくりの美人な年上の人を惚れさせるなんてお見事ね!」

「俺は何もしてない。絡まれているのを助けただけだ。」

「でも嬉しかったの。それで好きになって告白したけど振られちゃった。」

「タク兄、サイッテー!」

「いや、あの時は色々あってな…。」

春香にジト目で見られる俺。そして、有希子先輩は笑顔で俺にしがみつきながら言った。

「でも、やっぱり好き!それに卒業まで一緒にいられるから嬉しいわ!」

「有希子さん、何してんですか?!」

「抜け駆けはずるいです!」

寶藍とステイシーが目を吊り上げながら有希子先輩に詰め寄る。しかし有希子先輩は反論した。

「何よ、こっちはイギリスに留学してて1年以上本編で出番がなかったんだからいいじゃない!」

「そう言う問題じゃ…。」

「ありません!」

そう言って寶藍とステイシーも俺にしがみついてくる。自分の家の玄関の前で何をやってるんだろうって思った。

「私が一番タクちゃんが好き!」

「私だってタクトが大好きよ!」

「最初に告白したのは私よ!私も大好きよ!」

がやがやと騒ぐ俺達。そして春香はニヤニヤしながらこっちを見て言った。

「タク兄幸せ者だね!さすが絶世の完璧イケメン!皆さん、タク兄の事を宜しくお願いします!」

「んなこと言ってる場合かよ!この状況どうすりゃいいんだよ?!」

俺はそう突っ込みを入れつつ嬉しい感情も湧き上がっていた。離れてみてようやく分かった会えない寂しさ。だが、偶然とはいえみんなここに集まった。そして再び出逢うことが出来た。

「と、とりあえずみんな中に入ろうか。」

俺は全員を家に入れ、春香やそのご帰宅した両親たちとも楽しい時間を共有した。親父達は最初びっくりしていたがとても喜んでいたし、久々にみんなの声を聞けて俺も嬉しかった。そして心の底から思った。

(3人とも、俺を好きになってくれてありがとう。俺がはっきりとした答えを出せるのはもう少し先になるかもしれないけどそれでもこれだけは言える。俺は、みんなが大好きだと。)

もうネガティブな考えもやめるし前向きに生きていこう。だって、こんな素敵な人たちと出会えたんだから。俺達の未来がどうなるか分からないけど、俺は願う。俺も、俺を好きでいてくれるみんなも後悔なく幸せな未来が訪れますように。人生これから、まだ先は長いんだから。


                        -完-

終わったぁぁぁ!

物語完結です!

初めて書いた作品の上にマニアックなテーマだったので正直全然ダメダメだったかもしれないですが最後まで書けて嬉しいです!

それに、自分の予想よりも多くの人が読んでくれたみたいで本当に感謝の気持ちでいっぱいです!

最終回でヒロイン3人が集結しましたが、私としてはどうしても拓人とヒロインズとのやり取りだけは外せないと思ったのでこんな風にしてみました。有希子も久々に本編で出せましたし(笑)

1年以上という連載期間を経て、俺アプは完結です。

拓人達に幸せな未来が訪れることを信じましょう!

本当に皆さん、本作品をご愛読ありがとうございました!

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