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番外編 If-Route BOLAM-

こんばんわ!

最終回もだんだんと近付いてきましたので特別番外編をお送り致します!

これは、もし拓人が誰かと付き合ったらを書いた未来のIfの世界です。

全3回の予定です!

金曜日の夜というものは不思議である。普段はあれほど面倒臭くて大変だと思っていた仕事も、次の日が休みだと考えると何故か気合が入り、捗ることがあるのだ。そんな日にこの私、尹寶藍はいつも通り業務をこなしていた。

「ふう、あともう少しだ。」

私は大学卒業後、日本への在住・留学経験を活かしたいと思い、地元ソウル市内にある外国語参考書などを出版する会社へ就職。希望していた日本語教材への出版担当に配属され、最初はいろいろ大変だったが徐々に慣れてきて何だかんだで就職して3年が経った。今は新たに出す教材の出版に向けて作成、編集作業の真っただ中だ。

「何か気合入ってるね、どうしたの?」

「明日休みだと思ったらモチベーション上がるでしょ?」

隣の席の同僚が声をかけてきた。明日は予定あるし、さっさと終わらせて帰りたい。そう思いつつ引き続きパソコンに向かいながらコーヒーを口に含む。

「彼氏とデート?」

「んぐ!!!」

同僚の突然の発言に私は噎せてしまった。ちょっと、もう!

「ゲホ…何言うのよ!」

「図星だ!日本人の彼氏だっけ?いいなぁ、私も彼氏ほしい!」

「この後は帰るだけ!デートは明日よ!」

そう同僚に口を尖らせながら、私はさっさと業務を終えて足早に帰宅したのだった。


翌日。

「ウフフ…。」

ここは蚕室球場。私が大好きなプロ野球チームLGツインズの本拠地だ。今日はデーゲーム。雲ひとつない快晴の青空の下、起亜タイガースとの試合が行われる。レプリカユニフォームとキャップをかぶり、応援する準備は万全。気合入れ過ぎて待ち合わせ時間より2時間も早く来てしまった。そして、数分後…。

「ごめん、お待たせ!」

「タクちゃん!」

待っていた彼氏が球場前に現れて駆け寄ってお互いにハグする。この男性が私の彼氏、日本人青年の森拓人だ。幼馴染であり、私が大学の時日本に留学した際に再会。彼は大学卒業後に日本で旅行会社に就職したが、昨年人事異動でソウルにある系列店に配属。現在に至るといった感じだ。

「昨日激務で疲れて、起きるのが遅くなっちまった。」

「いいの。こうしてここでデートで来てるんだから♡」

「優しい彼女だな、お前は。」

「タクちゃんが彼氏だからよ!」

「ありがと。じゃあ行こうか!」

「うん!」

会話しながら球場入りする私達。さあ、楽しいーデートタイムだ!頑張れ、我らのツインズ!


「わーい、勝った勝った!」

「いやぁ、珍しく圧勝だったな。」

「珍しくとは失礼な!今シーズンは打線が絶好調なのよ!」

その日の夕方。14-4と打線が大爆発して勝利したツインズに喜びながら私達は球場を後にした。今は夕日で染まった球場近くの川沿いを手を繋ぎながら歩いている。うん、差し込む赤い日差しが勝利を祝福しているみたいでいいムードだ。

「ねぇ、タクちゃん。」

「どうした?」

「私が告白した時どうだった?」

ふと、付き合い始めた時のことを引き出してみる。タクちゃんが韓国に赴任してきたばかりの頃、私は嬉しくてすぐに家族で歓迎会を開いた。その後も休日に遊んだりしたのだが、私は溢れる思いを伝えない訳にはいかずに半年前に告白した。断られる覚悟もできていたけれどタクちゃんは快くOKしてくれた。

「そりゃあ、嬉しかったよ。」

「ホント?」

「ああ。お前といると楽しいし、色々相談に乗ってもらったりもしたしな。それに…。」

「?」

「なんかこう、そうやって接しているうちにお前のその…魅力がどんどん見えてきて…何でこんな魅力的な子が身近にいたのか気付かない自分がアホだと思ったよ。だからありがとう、愛してる!」

そう言われて、私は全身の体温が一気に上昇していくのが分かった。こ、こんな時にそう言うこと言うなんてズルい。でも、嬉しい!

「タクちゃん!」

私は思い切りタクちゃんに抱きつき、唇を重ねる。そして、お互い顔を赤くしながら言った。

「ずっと一緒にいたいな!」

「俺もだ。」

夕日で染まる川沿いで私達は改めて自分たちのホントの気持ちに向き合うことが出来た。

こんばんわ!

ルート○○とかギャルゲーっぽくなっちゃってごめんなさい。

あくまでもしもの世界なので、あまりお気になさらないように。

今回は寶藍編ですがいかがでしたでしょうか?

次もお楽しみに!

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