第69話 Good bye,this year's!
こんにちわ!
今年最後の投稿です!
-12月31日 23時50分 東京都日野市 森拓人の家-
今日は大晦日だ。あともう少しで今年が終わり、新しい年が来る。その最後の一時を俺は自宅にて親父、そしてお袋と共に過ごしていた。今は丁度ガキ使を見終え、行く年来る年を見ている所だった。
「あ~あ、今年ももう終わりか。早かったな。」
リビングでお茶を飲みながら俺はそう呟いた。そして、向かい側に座っていた親父も言った。
「そうだな。本当に早い。色々なことがあったけれど、家族みんな平和に過ごせてよかったと思っているよ。」
優しい笑顔でそう言った親父、そしてお袋も…。
「そうねぇ、私も今年いっぱいみんなのために頑張れてよかったと思うわ。あなたも、そしてタクも元気でいてくれることが私にとって何よりの幸せよ!」
嬉しそうにそう語った。しっかし、今年は特にいろんなことがあったな。思いもよらぬ再会。しかも一気に二人もである。寶藍とステイシー。異国の地からはるばる日本に来てくれた二人。二人ともなんだかんだで騒がしいけど、今ではすっかりこの大学に溶け込み、みんなと仲良くやっている。時期は違えど、かつては一緒に過ごした俺達が長い時間を経て再びこの地で邂逅する。勿論これが単なる偶然なのは分かっている。だけれど、俺は何か目に見えない不思議で運命的な力をかすかながら感じていた。
「俺も3年生になるのか。はぁ、授業が減るのはいいけど就活も意識しなきゃいけないんだな。めんどくさい。今が一番楽なのかもな。」
ぼそりとそう愚痴った俺。健介先輩や夏美先輩を見ていたから分かったけど、3・4年生って結構大変そうだなって思った。留年するのはカッコ悪いけど、正直進級したらまた別の不安要素があるからそこは複雑だ。
「何言ってんのよ!あんたはできる子なんだから難しいことがあったって撥ね退けちゃいなさい!」
「そうだぞタク!父さんだってそう思ったことはあるさ。だけどな、辛いからって目をそむけちゃいかん。男には、けじめをつけてしっかりとこなさなきゃいけないって時がある!それを忘れるな!」
両親からそう励まされた俺。そうだよな。時は常に進んで後戻りなんてできない。だから俺も前に進まなきゃな。
「ああ、ありがとう!親父、お袋!今年もいい年過ごせたのは親父とお袋のお陰もあるってことを俺は忘れたことはないぜ!」
親父とお袋に礼を述べた俺。さあ、もうすぐ新年だ!他のみんなはどう過ごしているんだろう?
-同時刻 東京都八王子市 西東京国際大学留学生寮-
「痛たたた…本気で叩いたわね、ステイシー…。」
「そ、それはこっちのセリフよボラム…。もう、痛いったらありゃしないわ!」
寮の一室で寶藍とステイシーはお互いうつ伏せの状態で悶えていた。何故かというと、先ほど二人で見ていたテレビ番組だった。拓人と同じ、「ダウンタウンのガキの使いやあらへんで」を見ていたのだ。寶藍が「笑ってはいけない」の大ファンだったのだが、ステイシーに説明した所、彼女が「そんなんで私は絶対に笑わないわ」と言ったのを皮切りに寶藍も「面白いからあんたじゃ絶対笑う」と応戦。例によって口喧嘩になり、結果笑った方の尻をチャンバラ棒で叩くという番組と同じルールで二人で勝負することになったのだった。その結果、あまりにも笑いすぎた二人はお互いに尻を叩かれまくり、もはや動ける状態ではなくなっていた。
「大体何でこんな番組が人気あるのよ!」
「面白いからに決まってるじゃない!」
「アメリカの方が面白いわよ!」
「意味分かんないものばっかりじゃない!それに、大晦日はガキ使を見る!これがこの国での常識!」
そう言い張る寶藍とステイシー。しかし、そうは言いつつ二人も今年1年を振り返っていた。
「それにしてもさ…。」
「何よ?」
「いや、何か…久々に日本に来たけど色々あったなぁって思って。」
「凄い今更な感じがするわ。」
「そう、あんたみたいな恋敵が現れたことが特にね。」
「うるさいわね!それはこっちのセリフよ!」
「何よ?」
「やる気?」
こうしてまた言い争いを始める二人。この二人のにぎやかさは最後まで健在だった。
-同時刻 埼玉県川越市 安西幹夫の家-
「だーっはっはっは!いやーよかったでござる!今年を最高の形で締めくくれたでござる!」
自宅のテレビの前で、明かりがついているにもかかわらず何故かサイリウムを手に持ち、アイドルの名前が刺しゅうされたはっぴを着ていた幹夫は高らかに笑いながらそう言った。
「こら、幹夫!いい加減落ち着け!」
「今年がもうすぐ終わるってのに静かに過ごせないの?あんたって子は?」
幹夫の両親は呆れながら息子のその様子をぼやいた。どうしてこうなったかというと、幹夫の好きな乃木坂46が紅白に出場しており、前に行きたかったライブを外してしまった反動で幹夫は今自宅でバーチャル気分になっているのである。
「わっはっは!なんだかんだでいい年過ごせたでござる!もう悔いはないぞよ!」
そう言い放った幹夫。そんな彼も今年1年をいろいろ思い返していた。
(今年は本当に色々あったでござる!なんというか、そう…去年よりも華やかと言うべきか和やかというべきか…とにかく楽しかったでござる!)
幹夫はその背景には親友である森拓人の影響が大きいということを何よりも分かっている。そして、そのプラスアルファで寶藍とステイシーがいたことも勿論鮮明に頭の中に焼き付いている。結構大変なこともあったが、親友やその腐れ縁の留学生達と色々ありながらも楽しくそごせた事を彼はとてもうれしく思っていた。
「モリタク殿ー!ボラム殿ー!ステイシー殿ー!良いお年を過ごすでござるー!」
彼のその叫びが川越の夜に響いた。
そして、5…4…3…2…1…0!!!
年は明け、みんなが新しいこの時代へと羽ばたく時が来た。場所は離れているが、4人の少年少女達のその声は夜空に響く。
「새해 복 많이 받으세요!」
「Happy new year!」
「明けましておめでとうでござる!」
「明けましておめでとう!みんな今年もよろしくなー!」
こうして平和に年を越した4人は、今年も楽しく過ごしたいという思いを胸に、一夜を明かすのだった。
こんにちわ!
作中では一足先に年越しですが、皆さんは年末どう過ごされますか?
何せ今年も最後なので悔い無く過ごせることを祈ります!
さあ、次回は新年を迎えての投稿です!
ちょっと不安ですが頑張って書きますんで来年もよろしくお願いします!
それでは皆さん、良いお年を!




