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第61話 ご対面は刻々と…

こんばんわ!

11月初投稿です!

ここは成田空港第一ターミナルの到着ロビー。本日もいろいろな国から来た旅客やお出迎えの人で混雑していた。そしてある日の昼過ぎ。その中に、ある少女がいた。

「まだかなぁ。でもやっぱり緊張するなぁ。」

季節は11月と肌寒いので黒いレザーのジャケットを着込み、そのジャケットと同じ黒色のスキニージーンズを履いている背が高くて髪を茶色く染めた色白で切れ長の少女。そう、韓国より日本の西東京国際大学に交換留学に来ている尹寶藍である。今日なぜ彼女がここにいるのかというと、彼女はある人たちの到着を特別な思いで待っているからである。

「ああ、楽しみだなぁ。この後タクちゃんにあったらみんなどんな顔するかな?喜ぶわよね!だって、あんなにカッコよくなっちゃんたんだもん♡」

人目も気にせずに両手を頬に当て、顔を赤らめながら体をくねらせて独り言を言う寶藍。後ろにいた女の子の「ママー、あのお姉ちゃん何やってるの?」という声などは全く耳に入っていない。それほどの思いで彼女は1時間ほどこの場所でその人たちの到着を待ち続けていた。そして、数分後…。

「あ、ボラムいたわ!」

「おお、ボラム!」

「久しぶり!」

20代半ばの女性、50代位の夫婦が順に出てきて寶藍の名前を叫びながら駆け寄り、寶藍の方も三人と順番にハグをしながら歓迎をした。

「元気そうじゃない!日本で楽しい生活送っているようね!いいなぁ。」

「お姉ちゃんだってニュージーランド留学したじゃない。でもそっちも元気そうでよかったわ。」

この女性は寶藍の実姉、尹惠琳(ユンヘリム)、24歳である。彼女は現在韓国の航空会社、ムグンファ航空で客室乗務員をしている。背はほぼ同じで顔立ちも妹の寶藍に似ているが、やや大人びて落ち着いた雰囲気を漂わせている美人である。小学校は日本の小学校に通っていたため、妹と同じで日本語は堪能で日本文化にも詳しい。因みになぜ今回羽田ではなく成田空港なのかというと、彼女が勤務するムグンファ航空は成田行きの便しか飛んでいないからである。

「いやぁ、父さんはお前に一人で日本に行かせちゃって大丈夫かと心配してたけど大丈夫そうでよかった!」

「もう、パパ!私子供じゃないし!それに昔住んでた東京だから平気よ!」

年齢の割に若々しく、顔立ちが整った壮年男性は寶藍の実父、朴鍾浩(パクジョンホ)、51歳である。彼はテレビ局の報道部に勤務しており、14年前には特派員として東京に居住していた。現在は本社にて国際部の部長として働いている。

「あらあら。しばらく見ない間に可愛くなっちゃって。もしかして彼氏が出来たとか?」

「そ、そんなことないわよママ!もう、変なこと言わないで!」

そう言って寶藍をからかったのは彼女の実母、尹東順(ユンドンスン)、50歳である。彼女も年齢の割に若々しく、顔立ちも姉妹によく似ている。現在は専業主婦として夫と二人の娘を支えている。

「と、とにかく行くわよ!みんな早くして!」

寶藍は3人にそう言うと、誘導するようにJRの改札口まで行き、4人そろって成田エクスプレスに乗り込んだのだった。


ー同時刻、東京都日野市内、森家の居間ー

「早く準備しなさい、二人とも!」

「やってるって、お袋!」

「まあ、そう焦るな。予定時間までまだ余裕があるぞ、京子。」

俺と親父はお袋に言われるがまま、あくせく部屋の片づけや掃除などをしていた。そしてダイニングキッチンのテーブルの上には先ほどお袋がスーパーで買ってきた大量の食材が詰まっている買い物袋が複数置いてある。

「しかし、ホームパーティか。いいねぇ、わくわくするぞ!」

「そうよ。しかも凄く懐かしい人に会えるわ!楽しみ!」

親父とお袋はそう言いながらそれぞれの作業を進めた。そう、今日は俺の家で大事な人を呼んでホームパーティをするのである。

「14年なのか。いざ対面したらみんなびっくりするんだろうな。」

俺は机の周りのものをしまいながら一人そう呟いてた。1年や2年ならともかく、10年以上あって無かった人と久々に会うのって意外と緊張するもんだと知った。

「まあいいや。とにかく片付けよう!」

そう言って俺はみんなの到着を待ち遠しく思いつつ、作業を進めたのだった。


ー午後4時30分ー

「そろそろ来るんじゃないか?」

「そうだな。」

「緊張するわね。」

俺の言葉に親父とお袋がそう反応する。さっきまでノリノリだったくせに、やっぱりいざって時は緊張するんだな。

「でも、本当に家でよかったのか?焼肉屋でもよかったんじゃ…。」

「向こうが俺達の家がいいって言うんだからそうするのが礼儀だろう。」

俺の言葉に親父はそう返した。確認を取ったのは俺なんだが、確かに向こうはどうしても俺の家にしてほしいって言ってきた。でも、こういうパーティーも親近感があっていいかもな。そして、そう考えていると…。

「ピンポーン!」

家のインターホンが鳴り響いた。そして、3人で玄関に駆けつけ、俺がドアを開ける。

「ヤッホー、タクちゃん!」

「おう、寶藍。よく来たな!」

寶藍がおり、いつものノリであいさつした。押してその後ろにいた3人の懐かしい人たちにも忘れずあいさつする。

「皆さんお久しぶりです!森拓人です!そうぞお上がり下さい!」

こんばんわ!

今回は拓人と寶藍のお話です!

ようやく寶藍の家族を登場させられました。

次回はホームパーティ!

懐かしい面子と出会った拓人達はどんな時間を過ごすのか?

お楽しみに!

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