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第52話 休日登校!

こんばんわ。

だんだん秋らしくなってきましたね!

9月ももう半ばになり、だんだんと気温も涼しさを感じてくるようになった。このくらいの時期になれば当初は休みボケだった人もだんだんと感覚を取り戻してくると思う。秋といえば食欲の秋、芸術の秋、スポーツの秋などいろいろなイメージがあると思うが、今思えば俺はあんまりそう言うことを考えたことがないかも。秋放送の新作アニメの情報やプロ野球の優勝争いが気になるくらいだな。そんな涼しくて気持ちがいい微風が吹く西東京国際大学の八王子キャンパス内に俺はいた。そもそもキャンパスはここ一つしかないけど。今日は土曜。本来なら授業はないけれど、ある用事があってここに来た。静かなキャンパスの中を俺は進み、奥の方にある部活棟にたどり着く。

「ふう、慣れてる筈だけどやっぱり遠いな。」

そう言いつつ、俺は部活棟の中に入る。いつもだったらサブカルチャー研究会の会室に行くが、今日はそこに向かわずに1階にある中会議室にはいる。すると、眼鏡をかけた女の先輩が入口にある「受付」と書かれた机のところで出迎えてくれた。

「おはようございます。」

「おはようございます。あ、今日は森君なんだね。」

「健介先輩と夏美先輩都合悪いので俺が来ました。」

「あ、そうなんだね。わかった。じゃあここにサークル名と代表者名を書いてね。」

この人は経済学部3年の山崎花子(やまざきはなこ)先輩。文学研究会所属で優しくていい人である。俺は先輩に言われた通り、受付表に自分の名前とサークル名を書きいて奥にある「サブカルチャー研究会」と書かれた机に向かい、椅子に腰かけた。机の上にはなにやら書類がいっぱいあり、他のサークルの面々もちらほらいる。次々と他の出席者が集まり、全員集まった所で前方のホワイトボードの所に3人の先輩学生が並んだ。

「皆さん、本日はお集まりいただきありがとうございます。それでは、今年度第7回文化委員会、学園祭説明会を始めます。」

前の方でマイク越しにそう言ったのは知的な雰囲気を醸し出す教育学部3年の加藤卓司(かとうたくじ)先輩。普段はジャズ研究会に所属しており、一度見たけど結構演奏がうまい。加藤先輩の進行で今日の説明会は進んでいく。そう、今日は文化系サークルの学園祭の出店に関する会議なのだ。うちの大学のサークル、部活は運動部中心の体育委員会と文化部中心の文化委員会があり、必要書類の配布や申請のためにこういう学園祭が始まるまでに何回か集まって説明会を行っている。本来なら健介先輩か夏美先輩が行くのだが、健介先輩は就職の面接、夏美先輩も法事で来られなかったので成り行きで俺が代わりに行くことになった。学園祭は来月なので実質今日が最後の説明会になる。

「本日は各団体の展示及び屋台の場所取りに関する最終決定及び、各種書類に関する説明を行います。何か質問がある方は遠慮なくおっしゃってください。」

加藤先輩がそう言っている横で、別の先輩がパソコンを起動させてパワーポイントをスクリーンに映し出す準備をしていた。準備が終わり、スクリーンに何か映し出されたときに再び説明が始まった。

「これは前回の説明会で決まった各団体の屋台と展示ブースの使用場所のリスト及びマップです。皆さんの手元にも同じものがありますのでご覧ください。」

「ん?あ、ホントだ。」

俺は手元にある印刷されたリストとマップに目を通す。前回健介先輩が言った会議によると、屋台は図書館付近のかなり奥の方にある場所で、展示コーナーは5階の教室に決まっていた。

「もし、変更を希望する団体がおりましたら今のうちに挙手をお願いします。また、他団体との交換になった場合は相手の同意なしに交換はできませんので予めご理解をお願いします。交換する場合はお互いの同意書を来週の火曜日までに委員会の本部迄提出してください。」

加藤先輩の話に一度考え込む各団体の代表者たち。前に健介先輩は屋台の場所に関しては「悪いとは思わないけど何か微妙な場所だな」とか言ってたな。去年は学校は言ってすぐの所で分かりやすい場所ってのもあっただろうけど。まぁ、昨日健介先輩に会議に関していろいろ聞いたけど場所の交換に関することは特に言ってなかったし、これでいいと思っていた。他の団体も手を挙げる人はいなかったし、このまま次の話題に行くかと思ったその時だった。

「はい!」

誰かが手を挙げた。加藤先輩がその代表者に声をかける。

「どうぞ。お名前とサークル名をおっしゃってください。」

「美術部代表の安村美咲(やすむらみさき)です。屋台の場所の交換を希望します。」

美術部の安村って人が希望してきた。何か理由があるのだろうか?

「私達の会室から屋台の場所までかなり距離がありますし、それにうちは女子部員の方が多いので資材運ぶのが大変だと思います。なのでもう少しここから近い場所への変更を希望します。」

ああ、そう言うことね。俺も去年の学園祭でいろいろ運んだけど会室からかなり距離がある上に結構重いものが多かったのできつかったな。

「それでは、希望の場所をおっしゃってください。」

「えーっと…じゃあK-2への交換を希望します。」

K-2ってどこだっけ?場所的に俺達の所から近い…って俺達の所じゃん!

「サブカルチャー研究会はいかがでしょうか?」

加藤先輩が俺に聞いてくる。どうしよう?健介先輩は特に場所にこだわってなさそうだったけど、勝手に俺が決めるのはまずいよな。因みに美術部の屋台の場所はE-1という場所で大体キャンパスの真ん中くらいである。言われてみれば確かにここからが女性が資材を運ぶにはキツイかもしれない。

「サブカルチャー研究会の森です。本日会長が不在なので会議終了後に連絡を取って確認したいのですがよろしいでしょうか?」

俺はそう言うと加藤先輩は一度軽くうなずき、安村さんの方を向いて口を開いた。

「分かりました。美術研究会もそれでよろしいでしょうか?」

「了解しました。それで大丈夫です。」

「後で御二方には同意書を差し上げます。交換する場合は署名と押印をして火曜日までに提出してください。」

加藤先輩はそう言うと俺達は再び席に着く。その後は交換を希望する団体は現れなかったので、その窯次の説明に入り、特に支障もなく会議は進んで行ったのだった。


「はい、各書類の提出を確認しました。ありがとうございます。」

「いえいえ、こちらこそ。」

会議が終わり、俺は各種申請書などの必要書類を提出して帰ろうとしていた。時刻は昼の14時。暇だな、この後何しよう?

「あの…。」

後ろから声をかけられたので振り向いたら、交換を希望していた美術部の安村さんがいた。

「サブカル研の森君でしたっけ?ごめんなさいね。無理な注文つけちゃって。」

「いえいえ、後で確認とっておきますんで大丈夫ですよ。」

「おねがいします。あ、これ私のLINEのIDなんで分かったら連絡ください。」

「了解です。」

そう言って安村さんはそのまま帰って行った。さてと、俺も健介先輩に連絡取らなきゃな。スマホを起動し、健介先輩のLINEを通話モードにしてコールする。

「もしもし、モリタクか?」

「あ、お疲れ様です先輩。忙しかったですか?」

「いや、さっき面接終わってカフェで休んでたところだけど。どうした?」

「じ、じつは…。」

俺はさっきの会議で美術部から屋台の場所を交換してほしいとの要望があったことを説明し、対応をゆだねた。

「いいんじゃね?べつに。」

「え?」

健介先輩はあっさり容認した。

「だって遠くなるならともかく入口に近くなるんならそんなにデメリットないだろ?」

「まぁ、そうですけど。」

「大丈夫。その同意書は火曜日までだっけ?会室にい置いてくれたら俺が押印とサインしておくから。」

「ホントですか?分かりました。」

「いいのいいの。それより今日は変わりに会議出てくれてありがとうな!」

「いえいえこちらこそ忙しい日にすみません。」

先輩にお礼を言って、俺は少し気になっていたことを聞いた。

「先輩面接どうでした?」

「うーん、わかんね。はっきり言って微妙。」

「あ、何かすみません。」

「いや、大丈夫。結果はまだ分からないし、卒業まで時間あるし、諦めなければ何とかなるから。」

「そうですか。」

「ああ。今日はとにかくありがとう。このあとはゆっくり休みな!じゃあね。」

「はい、お疲れ様です!」

そう言って通話を終えた俺と先輩。初めての説明会を何とか終えた俺は、学園祭本番も頑張ろうと心を決め、緑が多いキャンパス内の木漏れ日に当たりながら学校を後にしたのだった。

こんばんわ!

学園祭を控えている方はこの時期多いですよね。

私も学園祭の時期は日々汗を流していました。

今となってはいい思い出ですが(笑)

今日の話は少し地味目でした。

これから学園祭メインの話が増えると思いますんで宜しくお願い致します!

それではまた次回!

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