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第48話 会議…だけじゃないですよ!

こんにちわ!

合宿もそろそろ大詰めです!

突如始まったビーチバレー対決やその途中に起きた盗撮魔騒動など、色々あったが俺達はなんだかんだで館山の海を満喫できた。だが、遊んでばかりではいられない。本来これはサブカル研究会の合宿だからである。名一杯遊んだ俺達はその後民宿へ戻り、休憩後大広間に集められた。昨日途中で終わってしまった会議の続きをするからである。

「よし、みんな集まったようだな。それじゃあ会議の続きをやるぞ!」

健介先輩が借りてきたホワイトボードを前にそう言った。ようやく会議スタートだ。

「えーっと、昨日ってどこまで決めたんだっけ?」

おい、先輩!何忘れてんですか!みんな思わずずっこけちゃったじゃないか!すると夏美先輩が口を開く。

「昨日は屋台の出し物を焼きそばかホットドッグにするかまで話いったと思います。結局どうするんですか?」

そういえば、そうだったな。どっちも屋台としては王道だし、これは正直悩みどころだな。すると幹夫が口を開く。

「いっそのこと両方出してはいかがでござるか?いくつかあって選べた方が色々なお客を呼べる可能性が高いでござる。」

幹夫のその意見にみんな「あーっ。」と納得した様子だった。そして寶藍とステイシーが口を開いた。

「私賛成!他の所だって何種類出すところもあるんでしょ。だったらうちもやったってバチは当たんないと思う。」

「私もよ。両方食べたいって言う人もいると思うし、それなら一石二鳥だと思うわ。」

寶藍とステイシーのその意見を聞いた健介先輩も少し考えたあと、頷きながら言った。

「よし、いいだろう!設備や調理器具はうちで補えるし、材料費なんかは学校から予算が下りるはずだから大丈夫だろ。それじゃあ、反対意見がなければこれで決めるけど、異議はあるか?」

健介先輩ガ聞くが、俺を含めて異議を唱える人はおらず、今年の学園祭の屋台は焼きそば&ホットドッグで決定した。

「よし、次は展示だがこれはまだ決まってなかったな。意見がある者はいるか?」

健介先輩は会議の話題を展示の方に移した。そして真っ先に手を挙げたのは俺だ。

「はーい先輩!俺から意見してもいいですか?」

「おう、いいぞモリタク!言ってみろ!」

健介先輩に言われたので、俺は自分が思っていた事を言う。

「去年やったマンガ・アニメのトリビアは俺も楽しかったし、中々ウケも良かったと思います。でも毎年同じだと中には「またかよ」って思われるかもしれないし、ネタだって無限ではないです。それで、俺考えたんですけど、俺達その物を展示するってのはどうですか?」

「「えっ、それってどういうことですか先輩?」」

俺の意見に双子が食いついてきた。俺は続ける。

「俺達だってただ単にアニメや漫画などのサブカルチャーを調べて展示するだけじゃなく、結構色々な活動してたじゃないですか?コスプレイベント然り、八王子祭り然り。去年の冬も横浜の同人フェアに出展したりしたじゃないですか。だから、今年は俺達サブカルチャー研究会を知ってもらうために今まで俺達がしてきた事を展示するってのはどうですか?」

結構長々しくなってしまったが、俺は言いたい事を全部言った。すると、他のみんなも納得したのか…。

「某もいいと思うでござる。我々の事を知ってもらえるいい機会でござろう。」

と幹夫。そして春菜ちゃんも…。

「私もいいと思います!私、このサークルが好きですし、もっと多くの人にうちの良さを知ってもらいたい思うので拓人先輩の意見に賛成です!」

笑顔でそう言ってくれた春菜ちゃん。そして寶藍とステイシーも…。

「タクちゃんの意見には一理あると思うわ。」

「その通りよ。私だって今までここで頑張ってきた自信あるんだから、アピールできる機会があるのは嬉しいわ。」

といった感じで誰からも反対意見は出なかった。健介先輩も笑顔でうんうんと頷きながら…。

「分かった。確かにいい案だ!活動記録や写真はいっぱい残ってるし、いいだろう!採用だ!ありがとうモリタク!」

「本当ですか?ありがとうございます、先輩!」

俺は先輩にお礼を言う。こうして今年の秋の学園祭のサブカルチャー研究会の出し物は屋台が焼きそば&ホットドッグ、展示がサブカルチャー研究会活動紹介に決定した。

「さぁ、これで学園祭の出し物も決まったな。おっと、結構いい時間になってしまったな。みんな夕飯にするぞ!」

こうして学園祭の出し物も決定し、俺達は満足げに夕食会場へと向かったのだった。


そして、夕飯後…。

「わーい、花火だ花火だ!」

「随分ご機嫌だな、寶藍。」

「だって、タクちゃんと花火なんて久しぶりだもん!最後にやったのいつだっけ?」

「確か…幼稚園の年長の時、夏休みに多摩川の河川敷でみんなでやったのが最後じゃなかったか?」

「そうよ!だからすごい楽しみなの!ウフフ…。」

気分ルンルンで俺の腕にしがみついている寶藍と歩きながら昔話に花を咲かせる俺。そう、今から近くの河原でみんなで花火をやるのだ。やっぱり夏と言えば花火だもんな。すると、ステイシーが噛み付いてきた。

「ちょっと二人共、くっつき過ぎよ!」

「何よ、文句ある?」

「あるわよ!こんな夜に男女二人がくっつくなんてヤらいしわよ!」

「あんたの所構わずハグするよりマシでしょ!」

「ボラムは自分に自信ないからできないだけでしょ!」

「何ですってぇ!?」

あーあ、ここでも始まったよ。どこにいても相変わらずだなこの二人は。

「よし、ついたぞ!」

目的地についた俺達に声を掛ける健介先輩。そして、持ってきた花火を取り出し、火事にならないよう防火用の水などを準備し、いよいよ花火スタートだ!

「よし、まずはこいつからだ!」

そう言って健介先輩が最初に出したのは、ドラゴンファイヤーとかいう設置型の花火だ。倒れないように平らな場所を探し、しっかりと置いて火を点ける。すると、そこからまるで炎の噴水のような花火がものすごい勢いで噴き出した。

「わぁぁ!」

「綺麗!」

「感激です!」

「Beautiful!」

女性陣は目を輝かせながら花火を見ている。やっぱり夏の夜の花火は綺麗だな。その後も俺達は手持ち花火やロケット花火等を楽しんだ。

「うわぁ、来ないでほしいでござる!」

「ハハハ、追いかけられてやんの!」

「笑ってないで助けてほしいでござる、モリタク殿!」

ネズミ花火を使ったら、なぜか幹夫のところばかりに向かってきて、みんなで大笑い。まったく、良いところ持っていきやがって。

「はぁ、はぁ…。つ、疲れたでござる。」

「ほら、水やるからよ!」

「かたじけない!」

俺は幹夫に水を差し出した。するとそこで、健介先輩が最後に残っていたでかい打ち上げ花火を出した。

「よし、これが最後だ。合宿を締めくくるには相応しいな!」

そうだ、明日には帰らなきゃいけないもんな俺達。まぁ、色々あったけど楽しかったし、学園祭の出し物もしっかり決められたし、良かったと思う。だからいざ帰るとなると少し寂しくなるな。健介先輩は打ち上げ花火に火を点け、花火の点火装置はジリジリと音を出しながら段々と花火本体へ吸い込まれていく。そして、少し間を開けて「ピューッ」と空気を切り裂くような音を立てて上空へと上がり、また少し間を開けて「ドォン」と音を響かせてその大輪の花を館山の夜空に咲かせた。

「お見事でござる!」

「ああ!」

「「最高だよ!」」

幹夫、俺、双子は花火を褒め称えた。その後も花火はあと二回大輪の花を咲かせて、俺達の花火は幕を閉じた。

「よし、終わりだ!みんなのお陰でいい合宿になった!ありがとう!最後にみんなで一本締めだ!」

健介先輩がみんなにそう言い、俺達は心の準備をした。

「10月の学園祭に向けて、これからも頑張るぞ!みんな、準備はいいか!行くぞ!イョーッ!」

パァン!と言う音を響かせて一本締め完了。こうしてサブカルチャー研究会館山合宿の最後の夜は最高の形で終えることができたのだった。


翌朝。

「お世話になりました!ありがとうございます!」

「いえいえ、こちらこそご利用ありがとうございました!」

俺は女将さんにお礼を言い荷物を持ってマイクロバスに乗る。いよいよ帰る時間が来た。バスはメンバー全員を乗せ、館山駅目指して発車する。

「もう終わりなの?もう少しいたかったわ!」

「いざ帰るとなるとやっぱりそう思っちゃうよね!」

バスの中で寂しげにそういうステイシーに俺はそう答えた。

「じゃあ、今度は二人で館山デートしよでタクト!」

「遠すぎないか?」

「泊まればいいじゃない!二人で…。」

「男女二人で泊りがけの旅行ってなんか恥ずかしい…。」

「いいじゃない!タクトなら同じ布団で一緒に寝るのを許す!ってゆうか一緒に寝て!」

「お、おい!それはちょっと…。」

な、なんてことを言うんだこの子は!しかも美人だから余計にドキドキしてしまうじゃないか!

「そうはさせないわ!いい加減にしなさい!この淫乱女!」

そう噛み付いたのは寶藍だ。

「何よ!タクトの家に泊まって一緒に寝た貴方に言われたくないわ!」

「うっさい!あれは別よ!」

「幼馴染のあんたにその権利があるなら家族の私にもあるはずよね!これでおあいこよ!」

「やかましい!私のタクちゃんを寝取るなんて絶対許さないわ!」

座席で昼ドラみたいな喧嘩をする寶藍とステイシー。しかし、この二日間あんだけはしゃいどいてよくそんな元気が残ってるな。その後俺達を乗せたマイクロバスは館山駅に到着し、そこで再び高速バスに乗り換えて八王子を目指す。乗り換えが終わり、バスが発射した頃にはみんな疲れが一気に出たのか座席でスヤスヤと眠ってしまった。俺も疲れたが中々眠れず、一人景色を見ていた。

「そういえば、寶藍とステイシーが来てもうすぐ半年になるのか。俺も日本人として、こいつらの幼馴染として、家族として、もっと楽しい思い出を作ってやらなきゃな。」

再会してからの事を思い出していると、ついそんな言葉が口から出た。残りの夏休みもそうだけど、学期が始まってからも俺はこいつらと楽しい思い出をどのように残していこうか。まだ先のことは分からないけど、俺はとにかく自分も皆も楽しく過ごせたらいい。そう思いながら過ぎゆく景色を眺めながら家路へと向かったのだった。

こんにちわ!

合宿編終了です!

残りの夏休み、拓人くん達はどう過ごすのか?

…実はまだ中々いい案が見つからず困ってます。

とにかく次回の更新まで考えますんでよろしくお願いします!

それではまた次回!

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