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第47話 浜辺でアタックNo.1

おはようございます!

前回の海の続きです!

「ハッハッハ!俺の勝ちだ!」

「悔しい〜、負けた!相変わらず泳ぐの速いわね!」

「こう見えても俺は小3の時に水泳大会の校内代表だったからな!」

サンオイル事件の後、俺は寶藍に唆されてアイスを賭けた水泳の競争に見事勝利した。よし、後でハイパーカップバニラ味奢ってもらおう。しかし、久々に全力で泳ぐのも疲れるな。楽しかったけど。

「約束通り奢るわ。」

「済まないな、サンキュー!」

海から上がりながら寶藍と話している時、春菜ちゃんが遠くで何か言っているのが見えた。

「先輩方〜、そろそろお昼にしましょう!」

そうか。もうそんな時間だったか。腕に付けた防水ウォッチを見てみると、確かにもうすぐ正午だった。

「今行くわー!待ってて!」

寶藍が春菜ちゃんに言う。にしても、全力で泳いだせいか、腹減ったな。

「タクちゃん、行こう!」

「おう!」

俺達はみんなが待っている海の家の方へ向かう。何食べようかな?ラーメンもいいが焼きそばも捨てられんな。おっと、その前に。

「寶藍、ちょっとトイレ行ってくるから先に待っててくれ。」

「分かった。皆には伝えとくね!」

「よろしく頼む!」

寶藍は先に海の家へ行き、俺はトイレに向かった。幸いそんなに混んでなかったのですぐに入り、用を足して外に出る。早く行かないと、腹を空かせてる皆に申し訳ないからな。トイレを出て歩き始めた直後だった。

「ねぇ、そこの君!ちょっといい?」

背後から女性の声がして振り返る。すると、そこには三人組の若い女性が立っていた。シャレた水着を着て、中々いいスタイルをしており、歳は俺と同じか少し上位だろうか?

「どうかしましたか?」

俺は三人にそう聞くと、その人達は笑顔になりながらコソコソと何か話し始めた。

「ヤバイ超カッコイイ!」

「どうしよう!こんなイケメン見つけちゃって!」

「今日超ツイてんじゃん!」

なんて話始めたが、すぐに真ん中の女性が俺に聞いてくる。

「ねぇ君、一人?」

「いえ、学校の人と来てますけど…あなた達は?」

俺がそう答えると、今度は右側の女性が聞いてくる。

「大学生?」

「はい。」

「よかったら、お姉さん達と遊ばない?」

何だこれ?所謂逆ナンってやつか?一人旅だったら相手してあげないこともないけど、今はみんなが俺を待ってるし…。

「すみません、気持ちは有り難いんですけど、他のみんなが俺を待ってるんでごめんなさい。」

きっぱりと断った。早く行かないと。みんな腹減ってる中俺を待ってくれている訳だし。すると今度は左側の女性が残念そうな顔で言ってくる。

「ええ〜いいじゃん。10分、いや5分位お話するだけでいいからさ。」

「いや、でも…遅くなるとみんな怒りますし…。」

逃げるための苦し紛れの言い訳のつもりだったが、それは直後に思わぬ形で現実化する事に。突如後からゾッとする寒気と突き刺さるような視線を感じ、恐る恐る後ろを見ると…。

「ボ、寶藍…それにステイシー。」

うちの美人留学生二人が、鬼の形相で俺と三人組の女性を睨みつけていた。

「やけに遅いと思ったら…。」

「タクト、何をしているのかしら?」

ヤバイヤバイ!二人共声に生気が籠もってない。完全に今から人を殺そうとしている奴の雰囲気だ。

「違う!俺はただ話しかけられただけだ。今から急いでいくからとにかく正気に戻ってくれ、二人共!」

このままじゃ俺はともかく後ろの三人まで殺されちまう。何とか宥めないとヤバイな。

「だったら早く行くわよタクちゃん!みんな待ってんだから!」

寶藍が俺の手を引く。そしてステイシーは三人組の女性を睨みつけながら言い放った。

「あんた達、タクトをナンパしようなんて100年早いわ!身の程を知りなさい、雌豚共!」

随分な言い様だったが、三人は少し怖気付いたように話し始めた。

「超美人なんだけど…。」

「しかもスタイルいいし…。」

「やっぱりあのイケメンじゃモテるわよね…。」

なんて言いながら、三人はそそくさと逃げるように姿を消した。はぁ、変なことに巻き込まれて余計に腹が減っちまったよ。早く昼食にありつきたい。そう思いながら、俺は寶藍とステイシーと共に海の家へと向かったのだった。


「ハッハッハ…そうかそんなことが!モリタクらしいな!」

「笑い事じゃないですよ、先輩…。」

みんなと海の家で昼食を食べている時、俺は健介先輩にさっきの事を話したんだが、オムライスを食べている健介先輩は笑いながら慰めて?くれた。やれやれだよ。俺は焼きそばを食べながら心の中で溜め息をついた。

「モリタク殿は去年も逆ナンされていたでござるな。」

「そう言えばされてたわね。OLから。しかも3回くらい。」

幹夫と夏美先輩がラーメンをすすりながら去年のことを言う。去年の湘南の海での合宿でも海水浴に行ったのだが、そこでも若い女性からやたら「彼女いる?」とか「お姉さんと遊ばない?」とか声かけられたのを覚えている。何だろう?海に行くと異性に声を掛けたくなるようなもんだろうか?

「モリタク先輩はモテますからね。1人くらい相手してあげてもいいんじゃないですか?」

「そうですよ。あんまり突っぱねたら少し可愛そうな気が。」

下川ツインズが仲良くカレーを食べながらそう言うと、ステイシーが噛み付いた。

「ちょっと、勝手なこと言わないでよ!タクトに悪い虫が付いたらどうしてくれんのよ、優太!」

「いえ、僕は蒼太です。」

「ステイシーさんまで…優太は僕ですってば。」

「Sorry!」

ステイシーが双子を間違えて謝っていると、横からツンツンと指で突かれた。

「タクちゃん。」

「ん、どうした?」

突いてきたのは寶藍だった。寶藍はニコニコと笑いながら…。

「はい、あーん!」

「ング…。」

何か口に入れられたと思ったら、寶藍が頼んだチャーシュー麺に入っている薄切りのチャーシューだった。

「美味しい?」

「うん、美味いな!」

「えへへ、でしょー!」

俺がチャーシューを味わい、寶藍が横でニコニコしていると、ステイシーが立ち上がった。

「ちょっ…もう!何なのよ二人共!」

「フーンだ!これはこの前のお返しだもんねー!」

寶藍は更にステイシーを挑発する。ステイシーも顔を赤くしながら食って掛かる。

「どうやら決着をつけなきゃいけないようね!」

「望むところよ!」

「この間のポケモン勝負はドローだったし、次こそ勝つわ!」

「やれるもんならやってみなさいよ!」

二人の間で火花かバチバチの燃えているのが見えた。そして、その勝負とやらが始まったのだが…。


「なんで私まで…。」

「私、運動苦手なのに大丈夫かな…。」

なんて言っているのは夏美先輩と春菜ちゃん。二人は寶藍とステイシーが言う勝負に半ば強引に引きずり込まれた。その勝負と言うのが…。

「ビーチバレーなんて久しぶりだけど、私結構強いわよ!」

「そのセリフ、そのまま返させてもらうわボラム!私もバレーで負けたことないから!」

海らしくビーチバレーで勝負することになった。そして、夏美先輩が寶藍に、春菜ちゃんがステイシーのチームに引きずり込まれた。ちょうどビーチバレーのコートが設けられていたので、そこを使うことになったのだが、気のせいか見物客が多いような気がする。まぁ、これだけの美少女がいれば見たくもなるのかな?

「それでは、ビーチバレーの勝負を始めるでござる!ルールは15点先取のワンセットマッチ、選手交代は不可でござる。」

審判を任せられた幹夫はやけにノリノリでルールを説明した。バチバチと燃える寶藍とステイシー、そして面倒くさそうに立つ夏美先輩と不安そうな春菜ちゃんと言う構図がコートに展開している。

「何でこうなるんだよ…。」 

「まぁいいじゃねぇか!これも夏の風物詩の一つだ!」

俺が訳がわからずに溜め息をついている横で、健介先輩は楽しそうにそう答えた。双子も楽しそうにコートを見ている。しかし、寶藍もステイシーも背が高く手足が長いから、こうして見るとビーチバレーの韓国VSアメリカ戦に見えなくもないな。

「それでは試合開始でござる。先攻はステイシーチームでござる!」

幹夫がステイシーにボールを渡して試合開始。まずステイシーがサーブを出し、それを夏美先輩がレシーブ。寶藍にパスし、その寶藍はスパイクを決めに行った。

「そりゃぁ!」

「きゃあ!」

寶藍の強烈なスパイクを春菜ちゃんは受け止められず、後ろに弾かれる。先制は寶藍チームだった。

「やったわね!でもこの私もこのままやられるわけにわいかないから!」

「フン、点取ってから言いなさいよね、そういう事は!」

寶藍が挑発したその直後だった。夏美先輩のサーブを春菜ちゃんが何とかレシーブ。それを再び寶藍がスパイクを決めに行ったのだが…。

「なっ!」

「いつまでも同じ手が通用するなんて思わないでよね!」

寶藍のスパイクをステイシーがネット際でブロック。後ろにいた夏美先輩はブロックされたボールを捉えきれず、ボールはコートに落ちる。ステイシーチームがあっさりと同点に追いついた。

「フフフ…。」

「くそぉ、ステイシーめ!」

笑顔のステイシーに悔しがる寶藍。そして周りからも…。

「行けー!外人さん!」

「向こうの茶髪の子も頑張れー!」

「ファイト、ファイト!」

寶藍やステイシー達を応援する声が聞こえてきた。試合はその後両者一歩も譲らず、とうとう14-14まで来てしまった。因みに、長くなりすぎると次にコートを使いたい人の迷惑になるので、デュースは無しにした。次に点を取ったほうが勝ちである。

「これで決めるわ、覚悟しなさいステイシー!」

「フン!地獄へ送ってやるわ!ボラム!」

怖い顔でお互いを牽制し合う寶藍とステイシーに対し、夏美先輩と春菜ちゃんはと言うと…。

「うふふ、なんだか楽しくなってきちゃった!」

「なんかこう言うのもいいですね!頑張ります!」

最初は愚痴ってたのに、二人共いつの間にか楽しんでいた。そして、最後のサーブを寶藍が打とうとした時に予想外の出来事が起こった。

「待てぇ、盗撮魔め!」

「誰か、そいつらを捕まえてくれ!」

コートから少し離れた所から声が聞こえる。その方向を見ると、二人組の見るからにダサい折っさんが数名のライフセーバー達に追いかけられながらこっちに向かってきた。

「どけどけ~!」

「邪魔だオラァ!」

盗撮野郎達は人ゴミを強引に掻き分け、コートに侵入した。そして、寶藍とステイシー見るなり…。

「兄貴、そこの外人さんとこのK-POPアイドルみたいな子きれいだよ!」

「おう、逃げる前に撮っておこう!シャッターチャンス!」

二人は持ってたデジカメで寶藍とステイシーの写真を一枚撮るとそのまま逃げようとした。何て大胆な奴らだよ。しかし、相手が悪かっだようだな。

「キャア!何すんのよこの変態!」

寶藍はそう言うと、持っていたボールを盗撮魔Aの顔面に投げつけた。まともにボールを受けた盗撮魔は鼻血を出しながらのけぞって倒れる。そして、残った盗撮魔Bはと言うと…。

「良くも私の身体をイヤらしい目で見たわね!それが許されるのはタクトだけよ!これでもくらいなさい!」

ステイシーはそう言うと盗撮魔にさっき俺達に食らわせた強烈な回し蹴りを繰り出した。横顔に蹴りを入れられた盗撮魔Bは「グヘッ!」と悲鳴を上げながらその場に倒れ込んでしまった。そして俺達は盗撮魔を確保し、逃げられないようにして何とか盗撮騒ぎは収束したのだった。


「さぁ、逮捕だ!さっさと歩け盗撮魔め!」

「トホホ…。」

「こんなはずじゃ…。」

盗撮魔二人は駆けつけた地元の警察に逮捕された。どうやらこの二人はカメラを持ってウロウロしているところを不審に思ったライフセーバーに問い詰められた所を逃げていたようだった。カメラは没収され、写真のデータは全て消されることになった。

「うわーん、怖かったよタクちゃん!」

「盗撮魔簡単に撃退したやつが言う台詞か、それ?」

寶藍は俺に泣きついてきた。まぁ、盗撮されたら誰だって嫌だよな。

「全く、何て気持ち悪い男なのかしら!私のボディーが魅力的なのはわかるけど、タクト以外にやらしい事はさせないわ!」

ステイシーはプンプンと怒りながら逮捕される二人を見送っていた。お前が一番すごかったぞ、今回。

「ところで、ビーチバレーの勝負はどうなったんだよ幹夫。」

健介先輩が審判の幹夫に聞いてきた。幹夫は少し焦りながら答える。

「こ、今回は緊急事態の為、これ以上の続行は困難と判断したのでノーゲームでござる。」

結局勝負がつかないままビーチバレーは終了。それに対し、寶藍とステイシーはと言うと…。

「ふう、仕方ないわね。状況が状況だったし。」

「ボラム、今回は勝負はお預けよ!次こそ負けないから。」

割りとあっさり受け入れていた。そして夏美先輩と春菜ちゃんも…。

「まぁ、変なトラブルあったけど、面白かったし無事解決したからいいんじゃない?」

「ボラム先輩、ステイシー先輩!カッコよかったです!それにビーチバレーも楽しかったです!」

とご機嫌だった。

「さぁさぁ!気を取り直してもっと遊びましょうよ!時間はまだあるんですし!」

俺はみんなにそう言う。健介先輩もうんうんと頷きながら言った。

「モリタクの言う通りだ!こういう時こそ開き直って楽しむ必要があるんだぞ!さぁ、行こうみんな!」

先輩がそう言うと、俺達は思いっきり海に飛び込み、名一杯泳ぎまくった。色々あったけど、なんだかんだで海を満喫できた俺達だった。

どーもどーも!

先日海水浴はしてないですけど海に行きました!

普段海を間近で見る機会がないのですが、たまに見る海岸の景色っていいなって思いました!

さぁ、合宿はまだまだ続きます!

次回も頑張って書くのでよろしくお願いします!

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