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第45話 皆さん、合宿ですよ!

こんにちわ!

8月最初の投稿です!

暑い!

季節はもう8月。テストが全て終わり、小学校等とは少し遅れて大学生の俺達もようやく夏休みに突入した。大学の夏休みと言えば、バイトに精を入れたり、夏らしい遊びをしたり、そこから新たな恋を見つけたりと様々な過ごした方があるだろう。だが、忘れてはいけない。これ以外にも過ごし方がある事を。

「ハーッハッハッハ!いよいよ来たな!みんなお待ちかねのこの時期が!」

そうノリノリで笑いながら言ったのはいかにも夏が似合いそうな金髪色黒の浜崎健介先輩だった。今、俺は他のサブカル研究会メンバーと一緒に高速バスの中にいる。旅行…とは少し違い、これから千葉県の館山へ向かい、サブカル研究会の合宿をするためだ。サブカル研究会は毎年8月の上旬に合宿を行っている。去年は熱海で合宿をしたが、今年はもっと安くていい宿が見つかったとの事で、健介先輩は館山でやることを決めた。因みに合宿でどんなことをやるのかと言うと、秋にやる学園祭の出し物を決めたりする。申請などが地味に面倒くさいので早いうちに決めてしまうのだ。勿論自由時間もあるので、海に行ったりもする。多分みんなそれが一番楽しみだと思うが。

「もうこんな時期でござるか。時が経つのは早いでござるね!」

「ホントだよな。なんか今年が色々あり過ぎて時間の感覚なんてすっかり気にならなくなってたよ、俺。」

俺はバスの隣の席に座る幹夫とそんな話をしていた。確かに寶藍やステイシーと再会してもう半年位経ってるもんな。その寶藍とステイシーはと言うと…。

「ウフフ…海かぁ。この間買った水着をこんなに早くお披露目できるなんてね♡」

「あらボラム。奇遇ね。私も新しい水着買ったの。まぁ、私は背も高いしイケてるから圧倒されちゃうかしら?」

「フン!背の高さなんて関係ないわ!似合ってるか似合ってないかが大事よ!背伸びしてアンバランスな組み合わせになって痛々しい状況にならないことを祈るわ!」

「何よ!自分に自信がないからって負け惜しみでもするつもり?悪いけど、そっちの方が痛々しく見えるわ!」

「うっさいわね、ステイシー!自信があるからそう言ったのよ!アンタこそ私のプロポーションに気圧されないでよね!」

「ヤル気?」

「受けて立つわ!」

8月になってもこの二人は相変わらずだった。はぁ…。しかも、その後ろでは…。

「ちょっと、夏美先輩!大丈夫ですか?」

春菜ちゃんが慌てた声でそう言う。その隣では…。

「うーん…酔ったぁ…気持ち悪い…。」

バスに酔った夏美先輩が顔を真っ青にしてぐったりしていた。そう言えばこの人、乗り物に弱かったな。

「先輩、水飲みます?しっかりしてください!」

「うぇぇ…森くんありがとう…。」

俺は先輩に水を差し出し、取り敢えず少し飲ませて落ち着かせる。夏美先輩は去年の合宿でもバスに酔い、途中の休憩所では出発時間時間のギリギリまでトイレから出てこなかった。この人の不思議なところは普通の車や新幹線は平気なのに、なぜか高速バスには滅法弱いと言う所だ。うーん、何だろう?一方その後ろでは、対象的に…。

「ウォらぁあ!そこだぁ!」

「くそっ、ダメージ全然ねぇじゃん!」

「それじゃあこいつでどうだ!」

「よし、あと少しだ!」

「トドメは僕に任せて!」

下川の双子が超ノリノリでモンスターハンターをプレイしていた。メンバー屈指のゲーマーツインズは合宿に来ても健在だった。

「相変わらず元気だな、お前ら。」

「モリタク先輩!こういう所だとなんかいつもよりテンション上がりませんか?」

「まぁ、わからなくもないけどな!俺も修学旅行の時新幹線の中でトランプで騒ぎすぎて怒られた経験あるけどな。」

「ですよね!独特な雰囲気の中で楽しむゲームっていうのも悪くないですよ!」

「そうだよな。でも、他のお客さんの迷惑にならないよう気をつけろよ、蒼太。」

「いえ、僕は優太です!」

「いつ覚えてくれるんですか?蒼太は僕ですよ!」

「わりぃわりぃ!」

まだ双子の区別ができない俺は、二人に謝って自分の席に戻る。去年もそうだったが、今年も騒がしい合宿になりそうだな…。


『ご乗車お疲れ様でした。間もなく終点の館山駅に到着です。お降りの際はお忘れ物などございませんよう、お気おつけて下さい。』

バスは無事、館山駅に到着した。そこから更にマイクロバスに乗り、目的地の宿を目指す。俺達を乗せたマイクロバスはどんどん中心部から離れていき、森の方へ入っていく。あまり舗装されていない道路をしばらく進むと、丘の上に木造の民宿が見えた。今回俺達が泊まる場所だ。看板には『蝶和荘ちょうわそう』と書かれている。うん、中々いい名前だな!

「さぁみんな!やっとついたぞ!これからサブカル研究会の合宿、スタートだ!気合入れとけよ!」

「「はい!」」

健介先輩にそう返事をした俺達は、荷物を持って宿の入り口に向かう。すると、入り口には感じの良さそうな女性が立っており、俺達を出迎えてくれた。女将さんかな?

「ようこそお越しくださいました!西東京国際大学の皆さん!こんな遠くまでありがとうございます!」

「いえいえ、こちらこそ出迎えてくれてありがとうございます!よろしくお願いします!」

「お疲れでしょう?皆さんまずは部屋に案内しますんで、ゆっくりして下さい!」

女将さんらしきその女性は、優しい笑顔で俺達を中に入れる。そして男女別に部屋を案内してくれた。

「男性の方はこの部屋をお使いください!何かあったら呼んでくださいね!女性の方はもう少し奥の方です。どうぞ!」

そう言われて、俺達男子組は部屋に入り、女子組は奥の部屋へと向かって行った。

「ふぅ、疲れたでござる。この時期ぽっちゃりにこの距離の移動は過酷でござる。」

「おいおい、バテるのが早いぜ幹夫。もう少し鍛えろよ。」

部屋に入って早々荷物を置いて畳に寝転がる幹夫にそう突っ込む俺。時間はまだお昼なので、ゴロゴロして過ごすのはもったいないだろ。

「暑いでござるぅ…。」

「幹夫、近くに川がある。折角だし、少し涼もう。モリタクも双子も行こうぜ。」

「はい!」

「「アイアイサー!」」

健介先輩が俺達にそう言う。川遊びか。中々やる機会もないし、いいかもな!

「俺は女性陣に声をかけてくるからみんなは先に外で待っててくれ。」

「「「「はーい!」」」」

健介先輩はそのまま女性陣の部屋に行き、俺達は外で待つことにした。


「ハッハッハ!これこそ夏の醍醐味だぜ!」

そして、合宿初日の川遊びかスタートした。民宿から歩いて2分くらいの所に小川があり、健介先輩はやたら川の中ではしゃいでいる。水深は浅く、水がとても澄んでいるので川遊びにはもってこいだった。都会じゃ、こんな遊び出来ないもんな。俺は川岸で少し深呼吸をしてリラックスしていたが…。

「うわっ!冷てえ!」

「えへへ!タクちゃん相変わらず無警戒なんだから!」

いきなり首筋に冷たい感触がしたかと思い、振り向くと寶藍が水鉄砲を構え、笑顔で立っていた。

「寶藍、やりやがったな!」

「ウフフ!こんな風に遊ぶのも幼稚園以来ね。」

「このぉ!くらえ!」

「きゃあ♡」

俺は手で川の水をすくい、寶藍にかける。寶藍は水浸しになっているが、やけに嬉しそうだ。寶藍も再び向き直り、水鉄砲を構えたが、俺はとんでもない間違いに気づいてしまった。

「うわっ、待て寶藍!」

「タクちゃん、命乞いなら無駄よ!覚悟しなさい!」

「違うって寶藍!その、す、透けてるんだが…。」

「えっ?」

寶藍が自分の服を見る。俺がさっき成り行きで水をかけたことにより、白いTシャツの下にある黒いタンクトップが透けて見えてしまっているのだ。クソぉ、俺は。なんてことしてしまったんだ。

「タクちゃんのエッチ…♡」

「すまん、悪かった!」

寶藍は顔を赤らめながら恥ずかしそうにそう言った。くそう、やっぱり可愛い。このあと何か報復されるのかと思いきや…。

「もう、見たけりゃ見たいって初めから言いなさいよ!」

と、何を思ったのか、Tシャツを脱ぎ捨て、上はタンクトップ一枚になった。お、おい…。

「ホントは海で見せたかったけど、まぁいいわ!鍛えられた私の身体、よく見ておきなさい!」

「見られていいのかよ…。」

黒いタンクトップに白いショートパンツの寶藍はその抜群のスタイルもあり、かなりセクシーだった。俺が半分呆れ、半分見惚れていると…。

「うわっ!」

「何よ!」

さっきよりも多い水の感触に俺も寶藍もびっくりした。振り返ったら…。

「あんた達いい加減にして!こんなところでイチャつくなんて見苦しいわよ!」

ステイシーが鬼の形相でこっちを見ていた。しかも手にはバケツを持っている。

「す、ステイシー。何だよいきなり!」

「バケツで不意打ちなんて卑怯じゃない!」

「シャラップ!ここまで来てイチャつくなんて許さないわボラム!」

「なんですってえ!かかってきなさいよ!」

そう言って、勝手に寶藍とステイシーの川での戦闘が始まった。あーあ、この状況どうしよう?

「おお、いいシャッターチャンスかも!」

夏美先輩は嬉しそうに川岸でその様子をカメラで収めている。そして、幹夫はと言うと…。

「うん、中々よく釣れるでござるな!竿を持ってきて正解でござる!」

「「流石は幹夫先輩!」」

双子達と釣りを楽しんでいた。春菜ちゃんはと言うと…。

「おお、この川の水美味しい。市販のミネラルウォーターよりも美味しい物作れるかも!」

調理大好きなこの子は、川の水の美味しさにハマっていた。その先では健介先輩がまるで鮭を探しに来たヒグマのように川の中で佇んでいる。

「やれやれ、今年も騒がしい合宿になりそうだな。」

俺は少し微笑みながら、その状況をゆっくりと見ていたのだった。

こんにちわ!

いよいよ夏休みですね!

皆さんはどんな夏休みを過ごす予定ですか?

私はあんまりこれといった予定がないのでちょっと悩んでいますが…。

さぁ、イベント盛りだくさんの8月編開幕です!

拓人君たちはどう過ごすのか?

次回もお楽しみに!

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