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第43話 ようこそ、我が学び舎へ! 前編

こんにちわ!

さて、春香に学校案内をすることになった拓人。

うまく案内できるかな?

俺の従妹、栗原春香がうちの大学に来た。そして、うちの大学を案内して欲しいと頼まれた。突然だったので少し驚いたが、自分の学校に興味を持ってくれたのは嬉しいし、可愛い従妹が喜んでくれるならと思い、俺は一肌脱ごうと決めた。昼食を終え、クソ暑いけど快晴の空の下、俺達二人は学生で賑わうキャンパス内を歩いている。当の春香の方はとてもご機嫌な様子だった。

「ねぇ、タク兄!あの建物何?」

「あれか?あれは記念館だよ。うちの大学の100周年を記念した施設で、中には学校の歴史的資料が多くあるんだ。」

「へぇ、随分きれいね!」

「この辺あんまり人来ないしな。前の広場じゃあ、時々ダンス部やチア部が練習してるけど。」

「そうなんだ。ありがとう!」

「じゃあ、次行くか?」

「うん!」

俺達二人は記念館を離れて、次の目的地に移動する。

「ここは何?」

「ここは図書館だ。本だけじゃなく、DVDも充実しているしパソコンも使える。」

「あれは?」

「あれは部活棟だよ。各部の部室は全部あそこにある。」

少し離れた所にあるコンクリート造りの灰色の部活棟を指差す春香に俺はそう答える。すると、目の前に見慣れた顔が。

「おう、モリタクじゃないか。どうした?」

「あ、健介先輩!お疲れ様です!」

我がサブカルチャー研究会会長、浜崎健介先輩が現れた。

「ん?その子は誰だ?」

「あ、俺の従妹の栗原春香です。今年受験でうちの大学にも興味あるみたいで案内頼まれたんですよ。春香、この人は俺が所属しているサークルの会長の浜崎健介先輩だ。」

「初めまして!栗原春香です!タク兄がいつもお世話になってます!」

「栗原春香ちゃんか。俺は商学部4年の浜崎健介だ!よろしく!」

春香と健介先輩は軽く握手をしながら自己紹介する。

「春香ちゃんはうちの大学に興味があるのかい?」

「はい!まだ少し悩んでてどこ受けるかはっきりしてないんですけど、タク兄が楽しそうにしているので、どんなところなのか知りたくなりました!」

「そうか!うちの大学は楽しいぞ!どうしても決められなかったらぜひうちに来てくれ!歓迎するよ。」

「ありがとうございます!」

笑顔の春香に優しく話す健介先輩。この人、見た目は本当にただのギャル男なのに優しくて礼儀正しいんだよな。人は見かけによらずって感じだ。

「モリタク。明日の活動は遠征の事を話すからよろしくな!」

「あ、了解です!」

「そして今日はちゃんと案内してあげるんだぞ。それじゃあ、俺は行くから!春香ちゃん、楽しんでね!」

「はい!ありがとうございました!」

こうして健介先輩は校舎の方へと向かっていった。

「優しい先輩ね!」

「うん、あの人本当にいい人だよ!」

「いい人に恵まれて幸せなんだね、タク兄!」

「ま、まぁな。じゃあ次行くか!」

俺は春香を次の場所へ連れて行った。

「ここは国際交流会館。留学希望者のサポートをしたり、留学生の日本語教育をする場所だ。」

「へぇ。そういえば確かに外国の人多いわね。」

「元々交換留学盛んだからな、うちは。春香も留学興味あんのか?」

「ん〜、興味なくはないけど私は留学よりも勉強やクラブ頑張りたいかな?」

「そうか。それはいいじゃないか!」

俺が春香と話していると、近くの階段から透き通るような金髪を靡かせた美女=ステイシーが降りてきた。

「Hello、タクトー!」

「うわっ!」

ステイシーは俺を見るなり、駆け寄ってハグしてきた。

「最近タクト、全然こっちに遊びに来てくれないんだもん!寂しいじゃない!」

「毎日会ってるじゃねぇか。」

「もーっ!家族なんだからもう少し一緒にいる時間多くてもいいじゃない!」

頬を膨らませながらステイシーは青い瞳を見開いて俺に言う。何だろう、やっぱりかわいいな、こいつ。

「おお、タク兄にこんな美人な外人さんの彼女がいたとは!流石!」

「誰この女?」

ハイテンションでまくし立てる春香に対し、なぜかステイシーは目を釣り上げながら聞いた。

「タクト。白昼堂々こんな小娘とデートなんていい度胸ね。私というものがいるのに!」

「はぁ、何怒ってんだお前?こいつはな…!」

「言い訳なんか聞きたくないわ!」

大声でステイシーが怒鳴るので、周りの学生たちも振り向く。こりゃあまずいぞ。

「あ、すみません!変な事聞いちゃいましたか?それと申し遅れました!私、栗原春香といいます。」

ペコリと頭を下げながら申し訳なさそうに春香が自己紹介する。ゴメンな。わけわかんないことになっちゃって。でも俺の気持ちをよそに、ステイシーはまだ不機嫌なままだ。

「私はステイシー・バーネットよ!タクトのホストファミリーで、と~っても仲がいいの!」

と~ってもの部分をやけに強調したのは気のせいだろうか?春香はそれを聞くと、頭の電球がついたかのようにぱっと表情が明るくなり、納得したかの様な感じで話始めた。

「ああ、この人か!タク兄がシカゴで仲良くなったって言ってた女の子は!流石タク兄!こんな美人ゲット出来たなんて、従妹ながら尊敬するわ!」

「え、い…従妹?!」

春香の言葉にステイシーが驚いた表情を見せた。

「浮気相手じゃないの?」

「違うわバカ!春香は紛れもなく俺の従妹だ!」

なんつー誤解してたんだお前は。でも誤解が晴れてよかったし、ステイシーも邪悪なオーラが消え、いつもの陽気でフレンドリーな雰囲気に戻った。

「わ、悪かったわ…。改めて私はステイシー・バーネット。今この大学に留学中なの。」

「いえいえこちらこそ変な事言って失礼しました。タク兄の従妹の栗原春香です!いま高校生で今年受験なんで、タク兄に頼んで見学させてもらってるんです。タク兄がいつもお世話になってます!」

ステイシーは恥ずかしそうに、春香は申し訳なさそうに自己紹介する。春香、済まなかったな。あとでステイシーに言っておかなくっちゃな。

「つかぬ事を聞きます!ステイシーさんとタク兄は付き合ってるんですか?」

「え…あ…それは…。」

「違うぞ、春香。」

急に焦りだしたステイシーに対し、俺は即座に否定する。するとステイシーは悲しそうな顔で何か呟いた。

「そんなにあっさりと否定しなくてもいいのに。タクトのバカ…。」

「ん?何か言ったか?」

「何でもないわよ!」

プイッとまた頬を膨らませてそっぽを向くステイシー。変なの。そして春香も少し残念そうに言う。

「えーっ、違うの?お似合いだと思ったのに。」

「そう?なんか…そう言われると嬉しいわね。」

ステイシーは顔を少し赤らめながら嬉しそうに笑う。そして、春香も満面の笑顔でステイシーに言う。

「そうですよ!ステイシーさん。タク兄は少し鈍くて恥ずかしがりやな所ありますけど、ほんとにいい人なんで、よろしくお願いします!」

「Thank you!あなたも受験頑張ってね!」

「ありがとうございます!」

最初はどうなるかと思ったが、取り敢えず二人が打ち解けられて良かった。

「タクト!私はこの後国際課に用あるからまたね!今度デートしよう!SEE YOU!」

「はいはい!頑張れよ!じゃあな!」

そう言ってステイシーは国際課の事務室に入って行き、俺達は国際交流センターから出た。

「綺麗な人だったね、タク兄!」

「だよな。あいつ美人だよね。ハリウッド女優みたいだと俺も思う。」

「タク兄今彼女いるんだっけ?」

「いないけど。」

そう言うと、春香は驚いた表情で聞く。

「ええっ?他に彼女がいるからステイシーさんとは何もないって言ったんじゃないの?」

「何勝手に想像してんだ。俺は誰とも付き合ってないって。浮いた話もないぞ!」

俺のその返答に春香は口を尖らせながら言う。

「タク兄!タク兄は昔から女の子と話すの恥ずかしいと思ってるのは知ってるわ。でも、女の子は受け身体質ばかりだとがっかりするの!だからタク兄ももっと積極的にいこう!」

「は、はぁ。」

なんか分からんがアドバイスされた。

「彼女が出来たら教えてね!」

「出来る気配なんてねぇわ!」

「もう!すぐそうやって卑屈になる!カッコイイんだからもっと自信持ちなよ、タク兄!」

「あ、ああ。」

春香に説教されて、少したじろぐ俺。何か悪いことしたのか?うーん、覚えはないが…。

「じゃあ、次行こう!タク兄!」

「そうだな!行こう。もっと面白い所もあるからな!」

俺はそう言った春香を連れて、引き続き学校案内を続けるのだった。

こんにちわ!

いやぁ、もう暑すぎて溶けそうです。

この時期はオープンキャンパスの時期なんで、少し拓人の大学にどんなものがあるか紹介しようと思って今回の話を書きました。

受験生の皆さん、勉強頑張ってますか?

暑くて集中力が続きにくいかもしれませんが、決して無理はしないで下さい!

体調第一です!

それではまた次回お会いしましょう!

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