第30話 またまた会議!
こんばんわ!
最近忙しくて、もうヘトヘトです(泣)
でもアイデアが出たので書きます!
ゴールデンウィークも過ぎ、有希子先輩との件も落ち着き、5月もいよいよ下旬に到達した。そんな中、俺、幹夫、寶藍、ステイシーのいつもの面々は授業が終わった後、ある場所にいた。
「よし、諸君!全員集まったようだな!じゃあ、始めるぞ!」
そう、俺達が所属しているサブカルチャー研究会の会室である。そこで会長のギャル男ならぬ浜崎健介先輩が気合一杯に声を上げた。
「いよいよ俺達の伝統行事、八王子祭りの時期が近づいてきた!今日は出し物の最終チェックをやるぞ!」
健介先輩が言った八王子祭りとは、毎年6月の初めに行われているお祭りで、八王子地区の学生だけでなく、地元の商店会なども参加する割りと規模が大きいお祭りだ。いつも沢山の屋台が出ており、他にもステージでのパフォーマンスも行われている。
「で、屋台での出し物はこの間言ったやつでいいんですよね?」
そう言ったのは夏美先輩。うちは毎年屋台で食べ物を提供しており、去年はフランクフルトを出した。準備とか大変だったけど、結構売れたので嬉しかった。
「うん。毎年同じじゃつまらないからね。今年はオシャレにしよう!ね、春菜ちゃん!」
健介先輩が春菜ちゃんの方を見る。
「はい、私で良ければ全力でお祭りを盛り上げられたらと思っております!」
春菜ちゃんは健介先輩の方を向き、気合一杯の表情でそう言った。この子は本当に真面目でいい子だなぁ。最初の会議でも積極的に意見を言ってたし、今まで休んだこともないし。君が入ってきてくれて本当にありがたいよ!
「所で、今回の屋台の場所ってどのへんでしたっけ?」
俺が先輩に聞いた。祭りの会場は毎年八王子駅前の繁華街で行われている。それ故に駅から近い程お客さんが集まり易く、どこに屋台を構えられるかが重要だった。ちなみに去年は駅から50m位離れた所で少し不利に思われたが、それでも売れた。
「それか?ああ、もう決まってたがまだ言ってなかったな。それならここだあ!」
健介先輩がバァンと会場マップをホワイトボードに貼り付けた。
「ちょっと!駅から遠いじゃないですか先輩!」
そう声を上げたのは寶藍だ。運が悪いことに今年の屋台は駅から100m程離れた商店街の出口付近に構えなくてはならなくなった。嘆く寶藍に対しステイシーはと言うと…。
「いちいちうるさいわね、ボラム。近い遠いなんて関係ないわ!上手く行けばいいんだから。」
と至って冷静にサラリとそう言った。
「何であんたはそんなに冷静なのよ!」
「ボラムが短気すぎるのよ!キムチの食べ過ぎじゃない?」
「なんですってぇ!?」
やれやれ、また喧嘩してるよこの二人は。中がいいんだか悪いんだが分かんないな。
「しかし、昨年の売上から見ても、駅からの遠さはあまり関係ないと思うでござる。上手くアピール出来れば問題はなかろう。」
そう言ったのは幹夫だ。確かにその通りである。駅から遠いのは確かにお客さんを集めるにおいては不利かもしれない。だが、離れていても売上を出していた団体もあれば、駅前なのに売上が大したことなかった団体もあった。要は努力次第だろう。
「「僕達も幹夫先輩の言う通りだと思います。どんなに不利な状況でも、全力で頑張りたいと思っております!」」
ハモりながらそう言ったのは下川優太・蒼太の双子だ。
「双子もやる気満々だな!じゃあ、これは各人で購入する材料のリストだ。屋台はこれくらいにして、次はステージパフォーマンスだ。」
健介先輩は話題を屋台からステージパフォーマンスに移す。昔は屋台オンリーでうちはステージパフォーマンスに出演しなかったらしいが…。
「先輩、今年も俺が出るんですか?」
「当たり前だろモリタク!いいじゃないか!去年だって大ウケだったし。」
「某は非常に良かったと思うでござるよ、モリタク殿。」
「そうかぁ?」
そう、俺は恥ずかしくて正直嫌だったのだが、健介先輩の前の会長(もう卒業して現在は働いている)の意向で「イケメンがステージに上がれば絶対盛り上がる!」ということで渋々出演した。因みにその時のプログラムに書かれていたのは「超イケメン大学生が歌う!アニソン名曲オンパレード♪」だった。その名の通り、俺は自分が好きで尚且つ割りと知名度が高いアニソンをチョイスし、全力で歌った。
「モリタク殿は歌唱力が高いからのぉ。」
「へぇ。聞きたいです!今年もやるんですか、モリタク先輩!」
「おいおい、勝手に決めるなよ幹夫、それに蒼太。」
「いえ、僕は優太です。」
「蒼太は僕ですよ!」
また間違えちまったよ。駄目だな。やっぱり覚えられん。
「でも、また同じ企画じゃ飽きませんか?地域のお祭りなので、毎年来てる人も多いでしょうし。」
俺はそう言った。同じ企画でも「待ってました」と思う人もいれば、「またかよ」と思う人もいる。実際後者の方が多いイメージがあった。
「確かに、モリタクの言う通りだな。毎回同じじゃ面白くない。どうしよう…。」
健介先輩はしばらく顎に手を当てながら考え込んだ。そしてすぐに…。
「そうだ!」
と指をパチンと鳴らしながら笑顔になる。
「今年は豪華なニューフェース、ボラムちゃんとステイシーちゃんがいる!こないだのコスプレ大会でも好評だった三人でやればいいんだ!」
「ちょっと、健介先輩!いきなりそんなこと言われてもどーすればいいんですか?」
俺は慌てながら健介先輩に聞いた。健介は相変わらず笑顔で…。
「慌てるなモリタク!お前たちなら何をやってもお客さんは喜ぶはずだ。焦らず本番に備えたまえ!」
と言った。そんな無責任な…。一方ボラムは…。「わーい、タクちゃんとまた一緒にステージ上がれるなんて!」
とご機嫌だった。コスプレファッションショーのときはあんだけ緊張してたのに。そしてステイシーはと言うと…。
「Great!あの時みたいな感動をもう一度味わえると思うと楽しみで仕方ないわ!やりましょう、タクト!」
乗り気満々だった。
「よし、これで全て決まりだ!当日は全力で行こう!今日は解散!」
健介先輩がそう言い、今日のミーティングはこれで終了したのだった。
「で、あたしたちは何をやればいいのよ!」
帰り道、そう言ったのは寶藍だった。実際ステージでのパフォーマンスの内容に関しては何一つミーティング中に決まらなかったのだ。
「上手く行けば何でもいいわよ!」
そう言ったのはステイシー。いやいや、その何かが決まってないんですけど…。どうしようか…。
「それにしても、いつ見ても三人のやり取りは面白いと思うでござる!」
「うん、私もそう思う。」
幹夫と夏美先輩が後ろでそういう。ん、待てよ…。
「そうだ!これだ、これで行こう!ありがとう、幹夫、夏美先輩!」
二人の発言が俺の頭の中に何かを思いつかせてくれた。よし、決まりだ!屋台もステージも、うちの独壇場にしてやろう。そう思いながら俺はみんなと帰路を辿った。
こんばんわ!
サブカルチャー研究会がまたまた登場!
お祭り本番はどうなるのか?
非常に楽しみです!
それではまた次回お会いしましょう!




