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第26話 相談しよう

こんばんわ!

3月も終わりなのにだいぶ冷えますね!

体には気をつけます!

ステイシーと池袋で遊んでいるときに、有希子先輩と遭遇し、二人が一触即発の空気になった日から一夜明けた。この日も休日だったので俺は家でゆっくりしていた。因みに昨日の帰りに風邪を引いた寶藍へのお見舞いの品であるゼリーの詰合せと、ピカチュウのぬいぐるみを買い、あいつの部屋まで持っていった。俺が見に来たときはいつもより元気がないもののだいぶ回復しており、見舞いの品も喜んでくれた。次の授業は出られそうだな。そして俺は今リビングでテレビを見ながらお茶を飲んでいる。

「タク、これよかったらどう?美味しいわよ!」

お袋が何やら持ってきた。持ってきた皿の上には何やらカラフルなお菓子が乗っていた。美味しそうだな。

「何これ、どうしたの?」

「お父さんがもらってきたの。昨日結婚式行ったときにね。」

そういえば、親父は昨日職場の人の結婚式に行くとか言ってたな。何次回までやったか知らないけど、結構遅くに帰ってきていた。すると親父がパジャマ姿で頭を掻きながらリビングに現れた。

「おはよう、親父!」

「おはよう義和さん!ねぇ、昨日もらってきたお菓子、タクあげていいでしょ?」

「おう、おはよう!タク、そのお菓子は最高に美味いぞ!どんどん食え!」

親父は昨日の結婚式がよほど楽しかったのか、やけにご機嫌だった。俺は親父の言う通り何色かあるお菓子のうち、ピンク色のやつに手を伸ばす。うん、美味い!中に白餡が入っていて程よい甘さが口中に広まった。

「めっちゃ美味いじゃん!どこの店の?」

「それは父さんの部下の奥さんの実家のお菓子だ。美味いだろ!」

「へぇ。」

俺が褒めると、親父は昨日の結婚式について詳しく教えてくれた。

「昨日結婚式をやったのはな、父さんの職場の若手で爽やかで真面目な奴だよ。そいつがお菓子屋の娘さんと知り合って、2年付き合った後にゴールインしたんだ。」

「素敵よねぇ。」

親父の説明に母親がうっとりしていた。そして親父は続けた。

「式も素晴らしかったよ!あいつやあいつの奥さんのご両親もすごく嬉しそうだったし、スライドショーや両親への手紙もあったんだが、父さん泣きそうになっちゃったよ。」

ああ、よくありがちな結婚式だったか。たまにテレビとかで紹介されるけど、どうも俺はそういうのにピンとこない。むしろ、この前テレビでやってたインドの派手な結婚式の方が楽しそうに思えた。そして俺は気になっていたことを聞いた。

「でも、娘さん嫁がせちゃって、その店跡取り大丈夫なの?」

「ああ、店は奥さんのお兄さんが継いでいるからな。」

なるほどよかった。こんな美味しいお菓子を作れるお店がなくなるのは悲しいからな。すると親父が笑顔で俺に言った。

「次はお前だぞ、タク!」

「は、なんの事?」

俺はわけがわからずに聞くと、横からお袋が答えた。

「決まってるでしょ!タクの結婚式よ!」

「待て待て待てぃ!」

俺は思わずニコニコ笑顔の両親にツッコミを入れた。いきなり何を言い出すんだうちの両親は?

「何でだよ!気が早いだろ!俺まだ成人してない大学2年生だぞ!そんなことを話題に出す歳じゃないだろ!」

そう言ったが、うちの両親は尚も笑顔で答えた。

「何を言ってるんだ。だからだぞ。お前、イケメンで優しいし、出会いなんていくらでもあるだろ。今のうちに誰かいい人見つけないと、結婚のチャンスを逃しちまうぞ!」

「お父さんの言うとおりよタク。折角寶藍ちゃんとステイシーちゃんがいるのに。あんたが行動起こさないと、あの二人を別の男の人に取られちゃうわよ。その時後悔したって手遅れなんだから。」

両親が出会いについて俺に熱弁する。んなこと言われてもどうすればいいんだよ。ってゆうかなんであの二人の名前が出て来るんだよ。すると、俺はふとこの前の告白のことを思い出した。正直悩んでいたが…相談してみるかな。

「親父、お袋。ちょっと、聞いてほしい事があんだけど。」

「どうしたんだ?」

「いいわよ。なんでも言ってご覧なさい。」

正直恥ずかしくて今まで仲がいい人だけに言ってたが、話そう。このまま抱え込むのは辛いし。

「実はこの前、告白されたよ。」

俺は両親に正直に話した。そう言った瞬間、親父とお袋は目を点にして固まった。そしてすぐに…。

「「えええええっ!」」

めちゃめちゃ驚いていた。まぁ、今まで持てなかった奴がいきなり告白されたなんて話しを聞いたら驚くよな。

「ほ、本当か?相手はボラムちゃんか?」

「それともステイシーちゃん?お母さん、どっちでも嬉しいわぁ。」

親父とお袋は驚きつつもやけに嬉しそうだった。自分の息子が告白されるというのはみんな嬉しいのだろうか?

「違うって。どっちでもないっつーの!」

俺がそう言うと両親は意外そうな顔で俺を見てきた。

「え、そうなのか?」

「あら、あの二人以外にタクの事好きな子がいたのね?どんな子なの?」

親父は不思議そうな顔をし、お袋は拍子抜けした感じで俺に聞いてくる。

「えーっと…。俺と同じ学科の一つ上の先輩で、顔が本仮屋ユイカに似てて、結構俺を弄ってくる人。まぁ、いい人なんだけど。」

「で、タクはどうしたんだ?」

親父が聞いてきたので俺は答える。

「断ったよ。今はどうしても彼女が欲しいとか、そういう気持ちになれなくて。」

美人で性格もいい人から告白されたのに勿体無いと思う人は多いだろう。ましてや俺は今彼女なしだ。他の彼女なし男性なら断る人は多分いなかったと思う。両親はがっかりするかと思ったら意外な反応を見せた。

「そうか。ちょっと悲しいけど、お前がそう思うなら父さんはそれでいいと思うぞ。」

親父は優しい顔でそう答えた。そしてお袋も…。

「母さんもタクの意見を尊重したいと思うわ。付き合う人との相性も大事だしね。」

「親父、お袋…。」

正直茶化されるかと思っていたが、ここまで真剣に考えてくれている事が分かって俺は嬉しかった。本当に今日二人に正直に話せて、相談できて良かったと思う。

「でもこれで父さんは確信した!タクに合うのはボラムちゃんかステイシーちゃんしかいない!」

「私もよ!あの二人ならきっとタクのことを一番わかっているはずだし、ピッタリよ!」

「おい、さっきの感心を返せよ…。」

折角ホッとした気分だったのに、また浮かれ話を始めたうちの両親に俺はため息をついた。でも、この件に関して俺はどう穏便に解決できるのかまだ答えが出せずにいた。このまま妥協して先輩と付き合うか、断り続けるか…。両親に話せてスッキリした気分だったが、大元のことに関してはまだ進展がない。俺はこれから、どうすればいいんだろう?

こんばんわ!

拓人くんのご両親、久々の登場です!

なんでも相談できる親子関係っていいですよね!

あと、最近寶藍の出番が少なく感じているので次回はもう少し出したいと思います!

それではまた次回お会いしましょう!

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