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第11話 最後の授業はハイテンション?!

明けましておめでとうございます!

久しぶりに学校でのお話、そして幹夫君の登場です!

4月も下旬に突入し、あともう少しで5月になる。時間が過ぎるのは意外と早く、進級してからもう1ヶ月近く経過していたんだな。自然が多い、うちの大学の周辺の木々を見てみると、緑色の若葉が付きはじめ、季節の移り変わりを感じさせている。そんなある日、俺はうちの学科の選択必修科目である東洋文化比較をやる教室にいた。この授業が終われば、今日の授業はもう無い。あと一つ頑張ろう。因みに今はまだ授業前だ。

「モリタク殿!」

「どうしたんだ、幹夫?」

俺の隣に座る幹夫が、いつにも増してごきげんな様子で俺に話しかけてきた。

「この間、伯母君と6歳の従妹がうちに遊びに来たのだがな…」

「へぇ、年の離れた従妹がいたんだ。可愛いんだろうなぁ。」

俺にも従妹がいて、小さい頃は時々遊んだこともあるが、兄弟がいない俺にとって本当の妹のように感じた。今も交流があり、結構可愛がっていたりする。

「流石はモリタク殿、よく分かってらっしゃる!ウフフ、見るが良い!この天下無敵の可愛さを!天使でござる!もう離れたくない!ペロペロしたくて堪らんのでござる!ハァ…ハァ…」

非常に気持ち悪い笑顔と息遣いをしながら、幹夫は俺に写真を見せてくれた。写真には満面の笑顔でピースする幹夫と、その隣で同じく満面の笑みでプリキュアの変身ポーズを決めているちっちゃい女の子が写っていた。

「可愛いじゃん!」

「そうでござるか!やはりモリタク殿はお目が高い!そう、小さき女の子は正義!我が男性という存在に欠かせない存在でござる!某はこの子が幸せになれるなら、最後に死んでも構わん!むしろ、この子に色々攻撃されたいでござる!デュフフフフ!」

「おいおい、死んじゃ駄目だよ幹夫…」

興奮しながら大声で高笑いする幹夫に、隣から突っ込みを入れる俺。こいつ、本当にロリコンだよな。親戚の子にまで興奮するとか駄目だろ。近くの女子からメッチャ変な視線で見られてんじゃないか!にしてもこの従妹、確かにすごく可愛い。同じ親戚でもなんでこんなに顔面の差が出るのだろうと思った。ふと教室の前の方に目を向けると、うちの学科の女子4人と寶藍が楽しそうに話しているのが見えた。ソウルの大学ではアジア文化を専攻している寶藍だが、この授業を受けると韓国むこうの大学の選択必修の単位が取れるらしいのでこうして毎週ここの教室に来ている。

「尹ちゃんって本当に肌きれいだよね?化粧水何使ってんの?」

「大したもの使ってないわ。市販のやつよ。」

「尹ちゃん、今度あたしの服見て!来週彼氏とデートなの!」

「いいわ!ファッションなら任せなさい!」

なんて会話が聞こえてきた。寶藍は持ち前の明るい性格もあり、うちの学科では男女問わず人気で、尹ちゃんと呼ばれて親しまれている。因みに、俺の幼馴染であることを言った後、俺がみんなから冷やかされたのは言うまでもない。でも良かった。みんなが寶藍と仲良くしてくれて。幼馴染として嬉しく思うぞ。

「あ、森くーん!ちょっと来てー!」

俺は寶藍と話していた女子の一人=川口佐紀かわぐちさきに話しかけられた。

「モリタク殿、呼ばれているでござる。」

「ああ、ちょっと行ってくる。」

俺は席を立ち、寶藍達のいる所に寄る。すると川口が俺に言ってきた。

「森君、ちょっとだけ尹ちゃんの隣に座ってみて。」

「ん、これでいいのか?」

俺は言われるがまま、寶藍の隣に座る。寶藍は俺が隣に座ると、ニコニコしながら手を握ってきた。

「やっぱいいわねぇ。こうやって並ぶとあんた達夫婦みたいよ。」

「私もそう思う!」

「お似合いだもんねぇ!」

「お、おい!いきなり何言い出すんだよ!」

川口に続き、赤羽や戸田まで俺達にヒューヒューと冗談半分の冷やかしの言葉を投げかけた。は、恥ずかしい…

「そう?ウフフフ…タクちゃーん!あたし達夫婦みたいだって♡」

一方で寶藍はすごく嬉しそうだった。細長い切れ長の目を更に細めて微笑み、俺に寄り添ってくる。

「ほらぁ、尹ちゃんすごく嬉しそうだよ!」

「もう二人付き合っちゃいなよ!」

「森君、尹ちゃんを大切にしてあげてね!泣かせたら私達許さないから。」

「そうだ!我らが尹ちゃんを悲しませるやつは俺達も許さねぇ!モリタク!尹ちゃんはお前に託した!」

「う、うるせぇぞお前ら!言うまでもなく、寶藍は俺の大切な幼馴染だ!」

女子だけでなく、近くにいた男子の橋本まで俺達を煽る。全く、どこからどう突っ込んでいいからもう分かんねぇよ。俺の頭がこんがらがり始めたときだった。

「ん、何だ?授業始めるからさっと席に戻って!みんな立ってると落ち着かないじゃないか!」

「あ、すみません。」

先生に言われて、俺達はそそくさと席につき、本日最後の授業がいつも通り始まった。


「じゃあ、今日の授業はここまで。また来週な!」

授業が終わり、学生たちはぞろぞろと教室から出ていく。俺達も教室を出たが…

「じゃあ、行くか。寶藍、幹夫。」

「うん!」

「行くでござる!」

そう言って、俺達三人は階段を降りて、校舎の外に出る。そして家には帰らずに無駄に広いうちの大学のキャンパスの奥の方へと歩いていった。校舎の裏側にあるイチョウ並木とテニスコートを抜けると、「部活棟」と書かれた看板がある建物の前に出た。階段を上がり、4階建てのその建物の3階の1番奥の部屋に着く。俺がドアノブに手を掛けると、鍵は開いていた。

「お疲れ様でーす!」

俺がそう言って中に入ると、真ん中にある机でパソコンと向き合い、真剣な顔でキーを叩いている男性がいた。

「おう、モリタク!それにボラムちゃんも幹夫もお疲れ!」

「こんにちは先輩!」

「安西幹夫、只今参上でござる。」

金髪に染めたボサボサの髪の毛、色黒の肌、ピアスと銀のネックレスを着けたこの人は、浜崎健介はまざきけんすけ先輩。商学部マーケティング学科の四年生だ。見た目は渋谷系のギャル男だが、悪い人ではない。

「ハロー!みんな来てたのね!」

少ししてステイシーも到着。

「よぉ、ステイシー!」

部屋に入ってきたステイシーに俺が声を掛ける。ステイシーはやっぱり俺にハグしてくると、寶藍がものすごい顔で俺達を睨んできた。怖い…

「どーもー!先輩お疲れ様です!あ、みんな早いね!お疲れ!」

「どうも、お疲れ様です。夏美先輩。」

俺が挨拶を返したこの人は、海野夏美うんのなつみ先輩。理工学部システム学科の3年生だ。カーディガンにジーパンというシンプルな服装で、肩まである黒髪をおさげにして、メガネを掛けている。ジャージを着せればごくせんに出ていた仲間由紀恵によく似ているだろうと思った。

「よし、これでみんな揃ったみたいだからそろそろ始めようか!」

健介先輩がそう言って立ち上がり、ホワイトボードの前に来た。俺達は先輩がホワイトボードに何やら書き始めたのを真剣な目で見つめたのだった。

繰り返しますが、皆さん新年明けましておめでとうございます!

新年最初の投稿です!

どういう内容にしようか結構悩みながら書きましたが、結果的に新キャラを出すことができたので良かったです。

次回は拓人君達がなんの集まりに来ているか詳しく書きます!

それではまた次回お会いしましょう!

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