2/2
第1章
『次のニュースです。昨夜十一時頃、××区にて殺人事件が起こりました。現場には被害者の血で描かれた謎のメッセージが残されていました。先日のΔΔ区での殺人事件と同一犯の手口として☆☆県警は捜査を進めています──』
「世の中物騒ねぇ」
ニュースを見てお母さんは呟く
「麗歌も気を付けるのよ」
「わかってるよ」
気の抜けた返事に対してお母さんが鈴を持ってきて私に手渡す
「これをつけなさい。防犯になるから」
これって……熊対策じゃなかったっけ?
玄関を勢いよく開く
朝日が眩しい
「行ってきます」
元気よく通学路を駆け抜けた