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第1章

『次のニュースです。昨夜十一時頃、××区にて殺人事件が起こりました。現場には被害者の血で描かれた謎のメッセージが残されていました。先日のΔΔ区での殺人事件と同一犯の手口として☆☆県警は捜査を進めています──』


「世の中物騒ねぇ」

ニュースを見てお母さんは呟く

「麗歌も気を付けるのよ」

「わかってるよ」

気の抜けた返事に対してお母さんが鈴を持ってきて私に手渡す

「これをつけなさい。防犯になるから」

これって……熊対策じゃなかったっけ?

玄関を勢いよく開く

朝日が眩しい

「行ってきます」

元気よく通学路を駆け抜けた


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