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序章
“十六歳の贈り物は大切にしなさい”
小さい頃、おばあちゃんの家に行った時に一度だけ「カミサマ」に会ったことがある
きつね耳に袴姿で黒髪黒目の同い年くらいの男の子の「カミサマ」
おばあちゃんの家の近くの神社の祠に彼は佇んでいるのをみつけたんだよ
感じたの、恋のドキドキに似た感情
「カミサマ」はふっと優しく微笑んだ
ドキリと胸が高鳴る
耳元にその言葉をささやいて
「カミサマ」は私にメッセージを残してこれ以降現れることはなかった
「その言葉」は私の人生を変えるものでした──