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嬉しい
こんな気持ち、今まで感じたことなかった。
どれだけ他人の身体や感情を自分のものにしても、知らなかった。
初めて会う少年と私の望みが同じなんて……
誰もそんなこと願わない
魔法が存在しない世界
あたりまえすぎて誰も願わない
でも伝書鳩もこの身体に残る微量な魂も、同じ願いを持っている。
私だけじゃなかった……
一人じゃなかった……
なんて心強いのだろう……
今ならいつまでたっても無くならない母の蔑んだ眼差しを許してやってもいいくらいに気分がいい。
呼吸しずらい仮面を取り払い私は宙に浮いた。
もちろん、伝書鳩に約束をして……




