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21グラム




魂の重さ






ほら




私、死んでるし



生きてなかったし




わけわかんなくてあたりまえだよ……






やっぱり整合性取れなかった






「………私……これからどうなるの?」




「知ってどうする?無意味よ」




九炎寺医師が鬱陶しそうに言葉を吐き捨てた。






「…………」



そうかもしれない、そうなのかもしれない







だんだん私の思考が奪われているのか、否定的な方向へ頭がまわらない。







考えようとすると、組み立てたはずの言葉が次々滑り落ちてゆく……





「私、わた、わたし……は、私、わ、わ、……い、い、………」




口を開いてみても、言葉にならない。





だめだ!




このままじゃ





くやしい……




唇を噛む。涙が目頭から一粒こぼれた。



ぎゅっと服の裾をつかむ。




身体はまだ私の支配下らしい。





藁をもつかむ勢いで立ち上がり、診察室を飛び出す。



手にはちゃんと仮面を持って。





九炎寺医師は追いかけてこなかった。



出口を探して走り回っていてもスタッフ達は見向きもしない。



きっと時間の問題なのだろう。




私が彼女の人形になるのは……




どうにか出口らしきドアを見つけ、出ていくと派手な壁紙に壺や絵画が飾られたフロアに唖然とする。




美術館という施設を歴史の講義で教わり、資料写真を見た以来の豪華さだった。




飾られている絵画のほとんどは風景画で、緑豊かな景色の中で人々が描かれていた。




平和というのにぴったりな、のどかで優しいタッチで描かれたその絵に、私はなぜか生まれ育ったK市を思い出し、伝書鳩の少年をそれに重ねた。



胸にじわりと熱さが沸き起こる。




伝書鳩の少年に助けられながら、私は自分の死期を悟っていたことを今さら納得した。




足掻いたって無駄なのだ。




それよりも、今はまだ存在している奇跡に感謝したほうがいい。




私にできること




探したいよ







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