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私は魔法の歴史を読んで、何がしたかったのだろうか……




伝書鳩が実在したからって祖父母のために伝言を頼むことなんてしないくせに……




家族の反対を押しきって、強引にコミュニティーを出ていったりして……






魔法医師になって、いっぱしに人の命を救った気になって、自分の健康を削って自己犠牲に酔って……




勝手で独りよがりで、どうしようもない






世界に反発する前に、私はこんなバカな私を受け入れないといけなかった……









ひとしきり泣いてしまうと、潮が引くように感情の高ぶりも落ち着いた。





すっかり夜になってしまった窓の向こうは満天の星が震えながら輝いている。




「きれい…」




私は今度こそ微笑んだ。










それから私は仕事に対しての心構えをもう一度見つめ直し、無理な治癒魔法を控えるようにした。




仲間ともなるべく他愛ない会話を心がける。




楽しい話題を提供したかったが、私自身がつまらない人間なので度々言葉が途切れる。




ぎこちない私の会話に、それでも皆は付き合ってくれた。




「楠瀬さんてこうして喋ると案外子供っぽいね」




私より二つ年上の魔法看護師が、陶器で作られた仮面の下で柔らかく笑い声を響かせる。




「そうかな……」




「現場ではいっつも敬語だからわからなかったけど、いいんじゃない?かわいくて、話しやすいし」




「あ、ありがと……」




「いいえ」



魔法看護師はまた仮面の下で笑う。




私は照れてしまい、でも胸の中はじんわりとぬくもりが広がってゆく。




嬉しい




素直にそう思えた。




自分自身を受け入れられたかはまだわからないけれど、上手にはできないけれど、少しずつでもこういう瞬間を積み重ねていけたらいいな……







謹慎があけ、ほどなくすると私達の隊は出動要請を受け新たな戦地へと出発した。





目的地にあと半日ほどで到着する、というところで私達の隊は奇襲攻撃をうけた。



なるべく安全なルートを通ってきたはずなのに、待ち伏せされていた。



どこかで情報が漏れてしまったに違いない。




大勢の敵に護衛の魔法兵士達も手こずって、守るどころではなく、最小限の武器しか持っていない、戦闘魔法も不得手な私達は簡単に壊滅する。






背中を斬られて倒れていた私は、そこで伝書鳩に出会ったのだ。



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