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「………おかしくないけど……」


スミレ様が目を伏せて言う。

明らかに不機嫌そうだ。


「す、すみません…何か怒らせるようなこと言ってしまったみたいですね…ごめんなさい」


僕は頭を下げた。


「ち、ちがうし…ちがう。謝るな!」


「で、でも怒ってますよね…」


「もう!ちがうっ私はおまえとっ」


スミレ様が立ち上がり顔を真っ赤にしている。


「おまえとおやつを…食べようと…」


夕焼け色の目に涙が満たされ、今にもこぼれ落ちそうになる。


僕はただただぽかんと口を開いてスミレ様を見上げている。


おやつを僕と食べる?


…そういえば…観月さんと皐月さんがスミレ様が僕とおやつを食べたがっている様なことを言っていた。


友達になりたい、と…



もしかして、本当にそうだったのか?



スミレ様は僕と仲良くなるために、こうしてもてなしてくれているのか?



そうだとしたら、僕はスミレ様の出鼻をくじいてしまったみたいだ。



自分の暗い話しなんかし始めてしまった……


僕は手元のスプーンを持ちケーキをすくいあげ、勢いよく口に入れた。


「っ!」


甘い!


目がチカチカする。

舌に溶けていくはずのクリームがざらざらと残って、甘さの追い討ちが奥歯を刺激する。


スプーンをくわえたままの僕をスミレ様は涙目で凝視している。


「おいしいか?おいしいのか?」


震える声でスミレ様が僕に詰め寄る。


ツンキュン……か…


スプーンを口から出して僕はうなずいた。


「そうか!よかった!あ!待ってろ、アイスクリームもあるんだ。すぐ持ってくるから」


スミレ様は満面の笑顔で涙を吹き飛ばし、跳ねるように部屋を出て行った。



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