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「まったくの無防備だな!さすが魔法が使えない人間だ。戦争とは無縁の顔をしている」


少女は僕の肩を軽く押した。

本当に無防備だった僕は思わずよろける。


「スミレ様っ」


皐月さんが声を上げる。


「ふんっ!」


スミレ様は頬を膨らませてそっぽを向いた。


「この方の仕事が終わりましたら、おやつにお誘いしたらどうです?」


観月さんが肩を小刻みに揺らしながら言う。


「み、観月!また勝手に心を読んだな!」


スミレ様は背の高い観月さんを見上げて顔を真っ赤にしている。


「だから、読んでません。見ればわかりますよ。ふふ…」


「あぁ、スミレ様この方とお友達になりたいのですね!年齢的にも近いかんじですし!」


皐月さんがぱっと顔を輝かせてスミレさんの頭を撫でた。

皐月さんは誰かの頭を撫でるのが好きなのか?


「だあー!そ・れ・よ・り・も!会長の所へこいつを連れて行け!」


スミレ様は皐月さんの手を払いながら地団駄を踏みまくって怒鳴る。


「あ…笑ってる」


皐月さんは僕を見て微笑んだ。


「…不憫な奴だ。これから何が自分の身に起こるかも知らないで」


ふっとスミレ様は表情を暗くして扉の向こうへ行ってしまう。


「スミレ様は会長の第一秘書でツンキュン担当です」


観月さんがしれっと言い、奥からスミレ様の何やらわめく声が聞こえる。


「ツンキュン?」


僕が首をかしげていると観月さんも扉の中へ行ってしまった。


「いよいよですね。終わったらスミレ様とおやつを食べましょう」


僕の背中を優しく押しながら皐月さんが扉の向こうへ進む。

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