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身勝手な願いでしょうか。
祈るような気持ちで空を見上げた。
「わっ…」
その時、僕の足が地面から離れた。
ずっと目の前にあった揺らめく街並みが見下ろす位置になり、どんどん遠くなっていく。
その代わりに空が近くなって、果てのない蒼に目が眩む。
黄色い目の人を支えている両手に力を入れ直す。
少しでも足を動かせば、今にも落下しそうな気がした。
「ようこそ、天空のホテル、クエンジーへ」
「え?」
空から声だけが降ってくる。
「ご予約のお客様でしょうか?」
「は?」
「…少々お待ちくださいませ」
「はぁ……」
「お待たせしました。ロビーにご案内いたします。できるだけじっとして動かないようお願い致します」




