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洞穴を出て、まばゆい朝日の中歩き出す。
「頑固で分からず屋で強引だね」
息が荒い言葉には、はっきりと怒気が含まれていた。
「…すみません。次のコミュニティーまでこのまま運ばれてください」
「………すきにしなよ…」
重くつぶやいて、それきり黄色い目の人は何も言わなかった。
眠ったのかもしれない。
ひとしきり歩いて休憩したあとは、今度は黄色い目の人を背負う。
もちろん毛布がはがれないように何ヵ所も紐で巻いてからだ。
森をぬけると大きな川にでる。川の向こう側には蜃気楼のような街並みが見えた。
僕の足はそちらに向かうらしく、橋を渡った。
街並みは僕が近づくたびに遠のく。
これも結界魔法のせいなのか、本当に蜃気楼なのか…
「伝書鳩くん」
黄色い目の人が目をさます。
「はい」
「私の背中につけた薬は、痛みや腫れ、熱をさげる魔法薬なの…」
「はい」
黄色い目の人の声は夢見心地だった。
「戦争用に開発された薬で、すぐに治療できない時に使うんだけど……副作用があってね…揺り戻しっていうのかな…副作用がでる前に治療魔法かけないと倍になって返ってくるんだよ。だから私、死ぬんだよ」




