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どのくらいの時間この人の顔を見つめていたのか…
我にかえって面をつけ直す。
洞穴の外はまだ明るくないのでそれほど長い間ではなかったらしい。
散らかしたままの薬やら荷物を片づける。
全身に鼓動の振動が響いてしまい、何度も手元が狂い荷物を取り落としてしまう。
無防備な寝顔がとても可愛かった。
外の空気を吸って落ち着こう…
洞穴の外に出ると僕は息をのんだ。
木立の向こうから、ちょうど日がのぼり新しい光が木の間から真っ直ぐ僕を照らす。
空は少しだけ夜の余韻を残していて、星の瞬きを休ませるようにゆっくり橙色が溶け合っていた。
こんな美しい景色を僕は見たことがない。
鼓動は落ち着いたのに、今度は胸がいっぱいになってしまった。
星が眠ると、木立が風に目をさまし朝日に緑を映えさせた。
お腹の底から、今なら何でもできそうな、魔法も使えてしまいそうな想いが湧き上がる。
ああ…
神様が微笑む。
僕を祝ってくれている。
どうして?
どうして祝っているの?




