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液体が微弱に発光して、腫れた傷の上を這うように進む。
不思議なことに、腫れていない皮膚の所で液体が勝手に止まる。
「これも魔法……?」
液体は乾くことなく何時間も傷の上で留まり、発光し続けた。
眠ってしまったらしく、寒さで目をさますと、洞穴の外は夜明けの気配で闇が薄くなっていた。
黄色い目の人の背中の傷は腫れがひいていて、液体はもうどこにも見当たらない。
呼吸も安らかだった。
「…よかった…」
一人呟く。
寝ている間も緊張していたのか、安堵したと同時に力がどっとぬけた。
むき出しの背中に毛布をかけて、今度は風邪をひかせては大変だ、と心配した。
そっとこの人の額にてをあてる。
熱もひいていた。
本当によかった…
手をのけようとした時、木の面が引っ掛かりずれてしまった。
「わ……」
顔と面の隙間が大きくあいた。
木の面は両側の穴に紐が通してあり、この人の髪を縛っている紐とつながっていた。
だから、髪の紐を解かない限り外れることはない。
でも、紐が緩んでしまっていた。
「…か、……わいい……」
思わず言ってしまった。




