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「あのっ!」
急いで黄色い目の人に四つん這いで近づく。
目の部分の穴から、細い黄色が見えた。
「くっ…薬、薬を!」
慌てて並べていた薬をかき集め、黄色い目の人が見える位置に寄せる。
「どれをぬればいいか教えてください!」
洞穴に僕の声が反響した。
「どれを使えばあなたの傷がよくなるのか教えてください!」
ぐわんぐわん、と反響した声が耳の奥で僕のバランスを崩そうとする。
それでも、僕は目の部分の穴に向かって言い続ける。
必死だった。
他に何も考えられないくらい。
「………」
遅いまばたきをしていた黄色い目が、確かに雑多に並べた薬類をとらえた。
「これですか?これ?…」
僕は一つずつ持ち上げて訊く。
三つ目の小瓶でわずかに頷いて、黄色い目の人は目を閉じた。
僕は毛布をめくり、膿と血で汚れた布を取ろうとした。
しかし、布が傷にひっついてはがしにくい。
できるだけ痛みを感じさせないようゆっくりはがしたが、また気を失ってしまったのか、黄色い目の人はぴくりとも動かない。
布をはがし終わり、小瓶の中の無色透明な液体を傷に垂らす。




