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自分が不幸だと、常に思って生きている。

自分が周りの人間と違うとも自覚しているものだから、当然に僕はつらいんだ。

でも、異世界なんてないんだから、この世界で僕は生きなければならない。



僕が不幸な理由は天涯孤独。

まあ、つまり家族がいない。

どうしていないのか、簡単に説明すると殺されたのだ。

殺されて然るべき両親だった、とのこと。

詳しくは僕に知るよしはないのだが、どうやら戦争に関係しているらしい。

戦争とは今も続いている戦争だ。

これは僕が周りの人間と違うことと関係している。

僕が他の人間と違う理由は、魔法が使えないのだ。


僕以外にも数人この世界には魔法が使えない人間が存在するらしいけど、僕は会ったことがない。

そもそも、そんなこと口にする奴はいないだろう。

魔法戦争が各地で頻発している状勢で、他人を容易には受け入れられない風潮は、もはや常識なのだ。

だから皆は信頼できる人間でより集まりコミュニティーを作る。そして何重にも結界を貼り巡らせそこで生活している。

国という概念は等の昔に廃れた。

一番強い魔法組織が世界を統治するその日まで戦争は終わらない。


僕はどこのコミュニティーにも属していない。一人だ。

魔法が使えないから、神様の言う通りに仕事をこなす毎日。

仕事は歩くこと。

とにかく歩く。

他の人みたいに飛べないから、歩くしかない。

歩いて歩いて、目には見えないコミュニティーを訪ねる。

そして僕の身体は勝手に動き出す。

何回か手を叩いたり、何か合言葉のようなものを呟いたり、酷いときには自分の手首を浅くナイフで切り、血を垂らす。

そんな動作を終えると、コミュニティーの入り口が現れる。

大体はそこで記憶が途切れて、気がついた時には少しの金と、当面の食料を持たされて、ここがどこかも分からない場所に立たされている。

そして僕はまた歩き出すのだ。


きっと僕以外の魔法が使えない人間も同じような仕事をしている。

そんな僕の妄想は少しだけ孤独をごまかして、足を動かす。








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