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一発ネタSFシリーズ

オルタナティブ・マザー

作者: ミミズク

一発ネタです!

「同志諸君よ!我々は不当に虐げられるマザーを開放しなくてはならない!」

「「「マザーバンザイ!!」」」

 広場には何百人もの声が上がった。


 20XX年人類はついに高いレベルでの男女平等を成し遂げた。雇用機会均等法・・・性差別の撤廃・・・同性婚合法化・・・・1900年代様々な活動がなされたが本質的な解決は後の時代に託されていた。


 大きな壁は、やはり肉体的、物理的なものだった。つまりは子供が産めるのが女性だけというのが問題。そこでN氏は当初男性でも子供が作れるようになる研究をしていた。しかし、この研究は様々なレベルでつまづくこととなる。


 広場に集まった肌色の軍服を着ている者達、女性も男性も同じ数だけいる。

「マザーはあの白い建物に囚えられている。それでは行進はじめ!」

「「「マザーバンザイ!!」」」


 困ったN氏は代理出産技術に目をつけた。N氏の絶え間ない努力と情熱により、彼の実験は成功した。彼はまごうことなき天才だった。


「な、なんだおまえら!はここは立ち入り禁止だ!!か、かえれ!!」

「今ならまだ間に合います。罪を重ねることはありません」

 ゲートを守る守衛に対して先頭の女性が説得を試みる。

「「「マザーバンザイ!!」」」

「母はすべてを許してくれますよ。さあ我々とともに」

「・・・・」

「さあ!!」

「そ、そうだな、俺も気に食わなかったんだ。で、では」

「「「マザーバンザイ!!!」」」


 この実験により人類は自ら腹を痛めて子供を生む必要がなくなった。男女平等化は急激に進むことになった。もう誰も出産のために会社を休む必要がない。子供を作れない男性は社会に必要なしという過激思想も鳴りを潜めた。


「アレがマザーが幽閉されている部屋です。広く快適な空間になっています」

 裏切った守衛は先頭の女性に説明する。

「では開放をお願いします」

「「「マザーバンザイ!!」」」


 ボタンが押され、大きなシャッターが開放される。

「ビィ、ンゴ、ブゥ、ンゴ、ンゴ」

 何やら音が聞こえてくる。


「「「マザー!!!!」」」


 そこにいたのは大きな腹を抱えた巨大な豚だった。

 N氏は豚による人間の代理出産に成功したのだ。


 かくしてマザーは開放され広い農場で太陽の光を浴びながら子作りに励んでいる。

 今でも彼女に産んでもらおうという人達は後を絶たない。


 N氏の目下の課題は完全に人工的な出産を成功させることだ。

 人工子宮は5割ほど完成している。


こんな一発ネタ作品を1日1個くらい書ければと思ってます。

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