表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
<R15>15歳未満の方は移動してください。
この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

お味噌を買いに!

作者: 大松小竹

味噌汁の話ではありません。

遥か昔、戦いに負け、森の奥に薄暗いところに静かな城があった。そこは、ツタが絡み窓は割れ不気味なところだったそうだ。


時は現代。そこは、ある老夫婦の持ち物であった。

「あなた〜ちょっとコッチへ来てくれませんか?」

おばあさんのルイーダさんがおじいさんのアルゲルダに呼びかける。

「なんだい、どうしたんだね。」

何ともない返事が帰ってくる。

「何だっけなぁ~ 忘れてしまったわ…」

「そうかい、思い出したら呼んどくれ。」

何もない、普通の会話が続く…


半年が過ぎ、

「おばあさんや。」

「誰がおばあさんや。いい加減にしときなはれ」

「………はい。」

この半年でルイーダは物忘れが激しくなり、時にはアルゲルダの事も忘れてしまうぐらいに悪化していた。

夜、はぁーとため息をつく。ルイーダを元に戻すにはどうすればいいのだろうか?


次の日、孫が遊びに来た。

「おじいちゃん、久しぶり〜」

今年で、中学一年になる女の子だ。

「元気にしてる〜」

「まぁね。」

この時にすでにどす黒い何かがあった。

「誰だね。この子は。」

「……」

「孫じゃないですか。」

「はて、このような子はいたかの。」

孫はうつむいている。ふと、こちらを覗き込む。

「もう年なんだよ。」

「誰が年じゃ!」

そう言うと去って行ってしまった。孫はコクリとうなづいたが、下をみたままだ。

「今日は泊まって行くのかい。」

聞くと泊まりはしないと返事があった。

夕方、孫が帰る頃

「駅まで送ろうか?」

「大丈夫。」

「まあ、買い物のついでだ。」

「ありがとう。」

単純な会話があった。


孫を送り、帰ってくると夜ご飯のしたくを始めた。

「ルイーダ、ご飯が出来たよ」

「分かりました。」

夕食は、ハンバーグのトマト煮込みに味噌汁というものだった。

「このハンバーグのお肉硬いね。あと、塩多過ぎ。」

「……」

「この味噌汁何?元気になる気がするわ」

「……」

どんどんルイーダが若返っていく。

「それはそうですよ。そのハンバーグは孫の肉でソースは血、味噌汁は脳味噌ですよ。」

「あらそう。やっと…久しぶりですよね。」

そう、この夫婦は戦いに負けたあの日から、若い人を食べて生きているのだ!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ