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赤の仮面  作者: 馬場悠光
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第二章 【昌子・美花】

 私はアパートの自分の部屋へと帰って来た。


 テーブルやベッド等、生活に必要最低限の物しかない無機質で寂しい部屋…


 私がこの部屋で一人暮らしを始めてから、もう二年が経とうとしている。


 この事はすでに康時にも話してあるけれど、私の両親は、私が高校一年生の時に突然、交通事故で他界した。彼等が生前に残してくれた遺産で何とか生活は出来ているものの、誰も居ない部屋に一人で暮らしているのも寂しい事この上ない。


私はうっとうしいゴムバンドと、掛けていると気持ちの悪くなる眼鏡、そして皮手袋をテーブルの上に放り出すと、そのままベッドにダイブして目を閉じた。


 康時…


 あの時、私は彼を助けて正解だったのだろうかと思う時がある。確かに、彼は面白くて可愛い。書いてくる小説や詩のセンスも、遥かに私以上であろう。だけれどあの子と一緒に居れば居るほど私という人間が壊れていくような…そんな気がしてならないのだ。


 私はふと時計を見た。


 六時三十分…


「いけない…もうこんな時間か」


 私はベッドから起き上がると、台所へ行き、夕食の用意へと取り掛かった。


 



 その頃…


 仲山美花なかやま みかはブラブラと帰路を歩いていた。


 彼女は桂高校の三年生でテニス部の副部長であったが、良い副部長ではなかった。その証拠に今日も家の用事があると嘘をつき、きつくて面倒な練習を早めに切り上げてきたのである。大きな大会が近いというのに…


「あーあ、部活なんか入らなきゃ良かった…今更だけど」


 美花は少し近道をしようと数十分前、昌子と康時が挨拶を交わして別れた小さな公園の中に入った。今日は珍しく、辺りを見渡しても人っ子一人いない。ただ、風で揺れているブランコの音が微かに響いているだけである。


 幼い頃は美花もこの公園で遊んでいた。最もその性格故、一緒に遊ぶ友達等、一人もいなかったのだが…


 美花が公園の中央付近まで来た時、背後に人の気配がしたかと思えば、彼女の肩がトントンと叩かれた。


「だ」


 反射的に振り向いた瞬間、彼女の喉がパックリと裂け、大量の鮮血が噴出した。


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