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第2話:オーガ退治

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剣士が隣町へ着く頃には、町は既にオーガたちの支配下に置かれていた。


家々は壊され、町人たちは強制労働に駆り出されている。疲労で倒れれば容赦なく棍棒で殴られ、それが生きているのか死んでいるのかすら判別できないほどだった。


剣士は歩みも止めず、腰から古びた剣を抜いた。


「なんだぁ、騎士か?」


門番らしきオーガが、面倒くさそうに吐き捨てる。


「騎士がこんなボロボロなわけねえだろ! 騎士崩れの冒険者か、いや、たかが——」


嘲りの言葉を最後まで言い切ることは叶わなかった。


オーガの首が、噴水のように血を噴き出しながら宙を舞っていた。


「お、おい!」


もう一体のオーガが叫ぶが、その顔面を剣士の剣が正確に貫いていた。

痙攣して死んだオーガの口から、青白い魂が煙のように抜け出し、剣士の甲冑へと吸い寄せられるように消えていく。


「あの剣士をやれ! 囲んじまえ!」


怒り狂ったオーガたちが、剣士を囲むように殺到した。


だが、剣士は剣を二振りしただけで、その包囲網の中を通り抜けていく。


「なんだぁ? 通り過ぎた、だと……ぐはっ!」


遅れて、オーガたちの身体が斬り裂かれ、崩れ落ちた。

時間差で発動する、見えない斬撃。


民家の中から次々とオーガが現れるが、剣士の相手にはならなかった。


オーガは両断され、首を刎ねられ、顔面に剣を突き立てられる。斬れば斬るほど、死した者たちの魂が剣士の甲冑に集まり、吸収されていく。


「なんだこの剣士!」

「囲め! 囲め! ぐわあああっ!」


何人ものオーガが襲いかかったが、生き延びた者は一人としていない。


その中で、一体の女オーガが震えながら子供を抱きかかえていた。


「この子だけは……! この子だけは……!」


剣士は一歩踏み出しかけ、

わずかに足を止めた。


「……魂が弱い」


それだけ告げると、興味を失ったように踵を返した。


あっという間にオーガの死骸だらけになった広場に、一回り大きなオーガが現れた。ボスだろう。


「この町は俺たちのもんだ」


ボスオーガが口を開いた瞬間、剣士は既に間合いを詰め、その両脚を断ち切っていた。


「ま、待てっ!」


呻くボスオーガの頭を、剣士はそのまま無感情に叩き割った。

無数の魂が剣士の周囲に集まり、白い光となって吸収されていく。


静寂が訪れた町で、一人の青年が恐る恐る剣士に話しかけた。


「あ、あの……ありがとうございました」


「仕事だ」


剣士はそれだけ告げると、ボスオーガの首を片手に掴み、ギルドへと踵を返した。



冒険者ギルドのカウンターに、剣士は巨大なオーガの頭を無造作に投げ置いた。


「ひっ! ひ、一人でやったの!?」


チノが目を剥いて問いかける。


「ああ」


「ありがとう。報酬はこれだよ」


チノは慌てて金貨を差し出すが、剣士はそれを受け取るとすぐに次の言葉を口にした。


「他に依頼はないか? 強いやつでもいい」


「ええ!? まだそんな元気なの!? あ、でも緊急依頼なら、魔法使い救出があるよ。魔物に囚われているらしいんだけど……」


「それも受ける」


剣士は迷いなく答えると、またしても詳細を聞くこともなく、新たな依頼へと向かって歩み出した。

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