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偽物令嬢と呼ばれても私が本物ですからね  作者: kana


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大きな門を潜りお父様の手を借りて馬車から降りると、目の前にはいつくもの建物。


入学前に送られてきた案内図を頭の中で照らし合わせる。

この学園内には学舎の他に、講堂や食堂その他には遠方からの生徒のために男女別で寮もあり、池もあれば小さな森まである。

細かく言えば軽食の食べられるカフェも所々にあると案内図には記載されている。


「ユティここは広いから迷子にならないようにね」


「もう!お父様ったら!私は小さな子供ではないわ」


「ははは、では入学式の会場までは私が案内するよ」


そうだったわ。

お父様もこの学園に通っていた期間があるから会場の場所が分かるのよね。


「ではお父様にお任せしますわ」


お父様にエスコートされながら歩いていると、私とは色の違うリボンの女子生徒たちがこっちを見て内緒話をしているように見えた。


「お父様、私の格好おかしいかしら?」


メイドに着せてもらったからおかしいはずは無いのだけれど・・・


「いや、ユティが一番可愛いよ」


気の所為だったのかもしれないわ。

緊張して人の目を意識しすぎたのかも。


講堂に向かう間にも、お父様に挨拶する親子連れが何人もいたわ。

親子連れは私と同じ新入生ね。


お父様がこの学園に通っていたのは1年間だと聞いていたけれど、その時に出来たお友達かしら?


私も失礼のないように挨拶すると、女子生徒の方は挨拶を返してくれたけれど、男子生徒の方は挨拶を返してくれない人が何人かいたわ。


マナーや礼儀作法は男性には甘いのかしら?


講堂に入ると余りの人の多さにびっくりしちゃった。

この中に私のお友達になってくれる人がいるかもしれない。


ここでお父様とは暫しのお別れ。

お父様は父兄席に、私は指定された席に座った。


しばらくして始まった入学式。


貴族図鑑を頭に叩き込んだ成果が出るかしら?


新入生代表はエミリア・マキュリー様。

公爵家のご令嬢ね。

確かお父様は財務大臣だったわ。


在校生代表は2年の生徒会長、この国の第2王子ディオリス・グラドラ殿下。


お2人の顔は覚えられたわ。


この後、教室で自己紹介があればクラスメイトのお顔とお名前は早く覚えてしまいたいわ。


事前に送られてきた入学案内には、私は1年Aクラス。

1クラス20人程度だから覚えるのは意外と簡単かもしれない。


式が終わると各クラスへ移動になった。

会場から出る時に父兄席のお父様を見つけたから、小さく手を振ってみたら大きく手を振り返してくれるんだもの目立って恥ずかしかったわ。


クラスへの移動は3年の生徒会役員の方が校内を簡単に説明しながら誘導してくれた。


本当に広くて迷ってしまいそう。


教室には広く大きめの机にオシャレな椅子が並んでいた。

さすが貴族の子息子女が通う学園だわ。


「入学案内に各自の出席番号も書かれていたはずだ。その番号の机について担任の教師が来るまで静かに待っていてくれ」


本当に案内だけなのね。


「君たちの入学を歓迎する」


それだけ言って生徒会役員の方は退室したけれど、名前は名乗らなかったわね。


ついキョロキョロしてしまう。

エミリア・マキュリー公爵令嬢も同じクラスなのね。

チョコレート色の髪にエメラルドグリーンの瞳。

綺麗で大人びた令嬢ね。


彼女ともお友達になりたいわ。

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