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偽物令嬢と呼ばれても私が本物ですからね  作者: kana


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最初は誰かに支えてもらわないと歩けなかったけれど、毎日のリハビリとマッサージ、食事の量も少しづつ増えると痩せ細っていた体が元の体になるのも意外と早かった。


今では一人で歩くこともできるし、成長期なのか少し背も伸びてちょっとだけ胸も膨らんできた。


私は意外と図太いのかもしれない。

みんなはトラウマで私が暗闇を怖がると思っていたみたい。

でも、月明かりの入る部屋は暗闇ではないの。

あの時も暗闇よりもあの人の方が怖かったもの。




相変わらず私に甘いお父様と優しいお兄様だけれど、最近は2人の人脈を使って領地の発展に力を入れるようになった。


元々豊かな領地だったけれど、さらに領民が住みやすい環境を作りたいと頑張っているわ。




成人したお兄様が社交の場に出るようになってから、婚約の申し込みが殺到しているのですって!


確かにお兄様は優しいし素敵だと思うわ。

背も高くて手足も長いし、それに細身だけど引き締まった体でスタイルもいいもの。

顔立ちは・・・私とよく似ているわね。

間違いなく兄妹ね。


髪色はお父様と同じ濃紺。

瞳は私と同じ角度や光の加減で色が変わるヘーゼルアイ。

私はお母様の色をそのまま受け継いだの。


お父様の遺伝子は髪質と癖毛を私もお兄様も引き継いじゃったの。

フワッとした癖毛だから朝が大変。

朝食の席で見るお兄様の頭は髪が短いからあっちこっちに跳ねているわ。


お父様は濃紺の髪に濃いサファイアブルーの瞳。

娘の私から見てもカッコイイと思うわ。

とても若々しくて、もうすぐ40歳になる人には見えない。


お兄様が誰を選ぶのかは分からないけれど、思いやりのある人がいいな。

お兄様を大切にしてくれる優しい人。







結局、私はこの国の学園に入学することに決めた。


学べない期間が1年近くあったから、家庭教師の先生と一緒にこの半年間で恥ずかしくない程度には身に付けられたと思うわ。




お母様が生きていた頃に教えてくれたソルトレグス帝国のマナーや礼儀作法は大丈夫だと思う。

普段は優しいお母様が、教えてくれる時は超スパルタになるの。

何度泣いたことか・・・これもいい思い出ね。





そして、明日は学園の入学式。


入学式にはお父様が保護者としてついてきてくれる。


お兄様はお仕事関係の方と打ち合わせが入っているようで、入学式に参加できなくて残念がっていたわ。


ベッドに入っても胸がドキドキして眠れない。

多少の不安はあるけれど、楽しみの方が勝っているわ。

私にもお兄様のように沢山のお友達ができるかしら?

楽しい学園生活が送れるかしら?


明日が来るのが待ち遠しい。


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