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兄様とリアが結ばれたらいいなって思っていたけれど・・・
やるじゃない!
リアは嬉しくて私に早く報告がしたかったのですって!
でも、編入したのはなぜ?
兄様はリアが卒業してからって・・・
「ふふ~ん、そんなの決まっているわ!あと3ヶ月程でレグルス様はこっちに来るのよ?離れたくなかったのよ!それに・・・公爵夫人としての教育を受けなきゃだし・・・」
「・・・リアは今どこに住んでいるの?」
「・・・し、新居になるレグルス様の邸に・・・レグルス様が来るのをそこで・・・ま、待っているの」
美人さんの照れている姿って可愛いのね。
「じゃあエドは?」
「ああ俺か、親が婚約者を見つけろって五月蝿いから逃げてきた」
そんな理由??
「で、エドはどこに住んでいるの?」
「うん?ゼガードのところだが?」
ゼガードめ!やっぱり知っていたのね。
「ゼガードの妹が凄いお転婆でな、危なっかしくて目が離せないんだ」
おや?こんな楽しそうなエドは初めてかも。
「まだ14歳のガキだからな、俺がしっかり見ていないとな」
いや、それは兄のゼガードの役目では・・・
「それに、ここならリアとユティがいるから楽しいしゼガードとも気が合うしな」
でも嬉しい。
また4人で学生生活を過ごせるなんて。
結局、楽しい学生生活は一年となかった。
春に私はジルと結婚式を挙げた。
ジル兄様が待てなかったのではなく、皇帝や重鎮のおじ様たちがね・・・私とジル兄様の子が早く見たいと、抜かりなく準備を進めていたんだよね。
招待状も発送済だったし・・・
ウエディングドレスは随分前からジル兄様がデザインしていたらしく、すでに出来上がっていたし。
私がそれを知ったのは、リアたちが編入してすぐだったわね。
あの事件のあと、私がソルトレグス帝国に帰ると言った時に決まったみたい。
もうそれは盛大な結婚式で、招待客も他国からの王族や重鎮の方々が多数。
それに多くの帝国民にも祝福されたものになった。
そして初夜は・・・
私も心の準備はできていたというより、待ち望んでいたし、ジル兄様は我慢に我慢を重ねていたからかな・・・長く、激しかった・・・
結婚半年後には妊娠している事がわかった。
すごくジル(この頃にはジル呼びに)も喜んでくれたのだけど・・・
それよりも皇帝や重鎮のおじ様達の喜びようが・・・もう、はしゃぎ過ぎて誰か死人が出るんじゃないかと心配したほどだった。
それに今まで以上にジルの過保護が増幅しちゃった。
覚悟していた悪阻は意外と軽かったし、赤ちゃんは順調にお腹の中で育ってくれた。
いざ陣痛がきた時は・・・あの冷静なジルが扉の前で部屋を出入りする助手や、侍女を呼び止めては『無事か?』『大丈夫か?』『遅すぎる』などと落ち着きがなかったそうだ。
後日、はっきり言って邪魔だったと侍女がこっそり教えてくれた。
無事生まれた子は私とジルと同じプラチナゴールドの髪に、ヘーゼルアイの元気な男の子だった。
もう、ジルにそっくり。
初めて我が子を抱いたジルが「ユティありがとう」と泣いた。
初めて私の前で泣いたジルの姿を私は忘れない。
そうそう、重鎮のおじ様はさっさと仕事の引き継ぎを済ませ、息子に毎日会いに来る。
まだ寝ているだけなのにね。
誰が息子の教育係をするか、いつも揉めている。
~数十年後~
三男一女に恵まれ、子供たちが独立し、孫も抱かせてもらった。
その頃にジルを・・・亡くした。
皇帝としてのジルは立派で、良い父親で、いい夫で・・・
ジル、私幸せだったわ。ううん今も幸せよ。
『また会えるよ。君たちは今も繋がっているからね』
うん。私は何度生まれ変わっても愛する人はただ一人。
ジルの魂を持った人だけ。
『小さい姫。その時までゆっくりおやすみ』
ええ、また会いましょう。
この幸せだった記憶を忘れてしまっても、きっとまた会える。
「母上」「お母様」「お祖母様」薄れる意識の中で愛しい子供たちの声が聞こえる。
泣かないで。
私は幸せだったのよ。
あなた達も幸せになりなさい。
それに、また彼に会えるのよ。
今はそれが楽しみなの。
それに随分待たせてしまったわ。
そろそろ逝ってあげないと、寂しくて泣いていると思うの。
だから早く逝って抱きしめてあげないと・・・ね。
~完~
これで完結となります。
稚拙な文に最後までお付き合い下さりありがとうございました。
誤字報告ありがとうございました。
そして、新しく『君を守るのは俺の役目・・・2度は繰り返さない』を投稿しています。
よろしければ、こちらも読んでいただけると嬉しいです(〃▽〃)




