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偽物令嬢と呼ばれても私が本物ですからね  作者: kana


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・・・なぜ?

皇都に入るなり歓迎されている??


『おめでとうございますユティフローラ様~』


『お帰りなさいユティフローラ様』


『お幸せに~』


そんな言葉が歓声から度々聞こえる。

ラグーナ侯爵家の紋章を民たちが知っている?

だって中にいるのが私だって分かっているのよね?

名前を呼ばれているもの・・・


んんん?

私とジル兄様の婚約が知れ渡っているのかな?

間違いではないけれど、もう公表したのかな?

去年来た時に、お披露目をする事は聞いていたけれど・・・


じゃあ手でも振っちゃう?


窓を開けて控えめに手を振ってみた。

耳が痛くなるほどの歓声にこっちがビックリした。


皇城に着くまでそれは続いて、軽く手を振っていただけなのに疲れてしまった。


でもそんな顔は見せられないわ。


いつもの出迎えの倍はいる・・・ほとんどが見知った顔だけど。

皆さまニコニコ笑顔で迎えてくれた。


「ユティおかえり」


馬車の扉を開けたのはジル兄様。

吸い寄せられるようにジル兄様に抱きついた。

カチッ。

ほら、やっぱり気の所為じゃない。

心が愛で満たされていく。

これまでだってジル兄様が大好きだった。

今はそれが更に増幅して、大切で愛しくて守ってあげたくて・・・もう離れて暮らすなんてもう無理だ。


ここが本来の私の居場所。


!!

私の変化に気付いたのだろう。

目を一瞬見開いたあと強く強く抱きしめられた。


「やっと、やっとだ・・・ユティ・・・」


「何も言わず、ずっと待っていてくれてありがとう」


また、私はお姫様抱っこで謁見の間に連れて行かれ皇帝や重鎮のおじ様達にご挨拶する。

今回は滞在ではなく、このままソルトレグス帝国で生きて行くことを伝えたら大歓迎された。


ジル兄様は引き止めるおじ様達を無視して、"お友達"の待つ秘密の庭園に向かう。

もちろんお姫様抱っこだ。




ここは不思議な場所・・・

眩しい太陽はなく、かわりに薄紫色?薄いピンク色?手を伸ばせば届きそうな錯覚を起こす大きな月がある。


見たこともない花々の甘く優しい香り、湖の向こうには山も見える・・・幻想的で不思議な場所。


・・・うん、深く考えるのはやめよう。

ここは妖精の住む楽園だもの。


遥か昔、まだ妖精と人間とが共生していた時の名残り。

もう、妖精の存在はお伽噺話にしか出てこない。

それでも実際にここに存在しているのは、大昔のジル兄様と私が妖精との繋がりを望み、何度生まれ変わっても惹かれ合い、結ばれることを望んだから・・・

過去の記憶は無い。

それでもカチッって音がした時に理解した。


『やあ!小さい姫。やっと繋がりを感じたかい?』


「はい!もうジル兄様と離れません!」


『ジルよかったね』


「・・・はい」


私とは違って幼い頃から繋がりを感じていたジル兄様は少しだけ目が潤んでいた。

気付くのが遅くなったことが申し訳ないと思う。


『小さい姫の準備が出来たようだよ、早く君たちの子供がみたいから、さっさと結婚しちゃいなよ』


"お友達"の言葉の意味が分かってしまった・・・


私の秘かな望みを読まれたかと思うと、鏡を見なくても真っ赤になっていることが分かる。

そんな私を嬉しそうに見つめるジル兄様の目に熱が籠っているようで、恥ずかしくて目を逸らしてしまう。


『これを二人に贈るよ』


どこから出したのか、目の前にはほんのりと金色に光る2つの指輪が浮かんでいる。


ジル兄様が私の手を掴んで指にはめてくれた。

私も同じようにジル兄様の指にそれをはめる。

ピッタリとサイズが合う。


「ユティ、愛している。生涯君だけを愛し幸せにすると約束する。僕と結婚してくれるかい?」


そんなの答えは決まっている。


「はい!私もジル兄様を愛しているの・・・一緒に幸せになりましょう?」


ジル兄様の顔が近づいてきて初めての唇へのキス。

触れるだけの短いキス。

すぐに離れてお互い照れ笑いしちゃう。


でもそれで終わらなかった・・・

タガが外れたようにジル兄様のキス攻撃はとどまる事を知らないかのように、何度も何度も続き深く深くなっていった・・・


『ジル~手加減してあげなよ。それに僕はまだここに居るからね』


と、"お友達"の呆れた声が聞こえるまで続いた。


「ごめんユティ!嬉しくて止まらなかった」


「いいの、私も嬉しいから」


そして、最後に軽いキスをして"お友達"にまた来ることを伝えて楽園をあとにした。





その日から私はジル兄様と同じベッドで眠るようになった。

もちろん、今はまだ一緒に眠るだけ。

そりゃあ抱きしめられるし、キスだってするけれど、それ以上は結婚するまでは我慢すると言うジル兄様の意見を尊重して、清い関係のままだ。




そして私のお披露目が行われた。

そこでジル兄様との婚約を発表したのだが・・・もちろん祝福されたよ・・・ほんの一部の人を除いてだけど。


まあ~睨まれるは、蔑んだ目を向けられるは、ジル兄様を狙っていたであろう令嬢方の視線が怖いこと。怖いこと。



でも不思議なんだよね。

お披露目パーティーも中盤になる頃には彼女たちの姿が見えなくなっていたんだもの・・・はて?





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新しく『君を守るのは俺の役目・・・2度は繰り返さない』を投稿しています。

よろしければ、こちらも読んでいただけると嬉しいです(〃▽〃)

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