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偽物令嬢と呼ばれても私が本物ですからね  作者: kana


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優しく頬に触れる手で目が覚めたのは日も高くなってからだった。


「おはようユティ。ゆっくり眠れた?」


「ジル兄様!・・・おはよう」


寝顔を見られてもソルトレグス帝国に滞在している時はジル兄様に起こされるのが当たり前になっていたから気にならない。

それよりもここにジル兄様がいる事が嬉しい。


「はははっ昨日は疲れただろう?でも、もうお昼の時間だよ。一緒に食べよう」


そう言って部屋から退室したけれど、ジル兄様は部屋の前で待っていてくれるから早く支度しないと!

私は自分でも着られるワンピースに着替えて急いで部屋から飛び出す。

すかさずジル兄様が危なっかしいな~と言いながらお姫様抱っこする。


子供じゃないのだから転んだりしないのに・・・でも、このままだと次にジル兄様に会えるのは夏期休暇になると思うと甘えれるだけ甘えちゃおう!って気になる。


食堂ではお父様と兄様がすでに待っていた。

今日は我が家に同居しているゼガードは席を外しているみたい。

軽くおはようの挨拶をして、そのままジル兄様は私を膝に乗せたまま席に着く。

そして、私はナイフもフォークも持っていない・・・


「はい、ユティあ~ん」


「あ~ん」(もぐもぐもぐ)






朝食?もうお昼だから昼食か。

昼食が終わったあとはサロンに移動し、執事にお茶を淹れてもらってから部屋から退室してもらって私たち4人だけになった。


向かいのソファにはお父様と兄様。

対面にジル兄様の膝に乗った私。

うん、いつものポジションだ。


「王宮からあの者たちの刑罰が決まったと通達が来た」


お父様がその通達の紙を広げて見せてくれた。


まず、私とリアに乱暴を働こうとした子息たちは家から廃嫡または除籍され鉱山に強制労働10年。

(彼らは貴族の子息として今まで力仕事なんかした事がないでしょうから大変でしょうね。耐えられたとしても10年後は平民)


王宮騎士は奴隷

(へ~今どき奴隷ね。体力はあるだろうから妥当かな。この国には奴隷制度はないから他国か~)


ヨランダ伯爵は毒杯。

(当然ね)


ヨランダ子息は鉱山へ強制労働50年。

(媚薬だと分かっていて使用したんだものね。生きている内に解放される事はないだろう)


オルト嬢は・・・毒杯。

(結局、母親と同じ末路になってしまったのね。

媚薬の件だけでなく、ソルトレグス帝国の皇帝の姪に危害を加えようとしたことは知らなかったでは許されない。

彼女がした事は普通に犯罪だ。

だから同情はしない・・・)


ディオリス殿下・・・学院を退学。国境の一般警備兵として3年間辺境の地へ。

(これはちょっと厳し過ぎる気がするけれど・・・)


「大体妥当だとは思いますけど、ディオリス殿下の罰は厳し過ぎではありませんか?」


「嵌められたとはいえオルト嬢が王宮騎士に接触する機会を与えたからだろうね」


「王家には王太子殿下と、ディオリス殿下しかいませんよね?王太子に何かあれば・・・」


「だから、廃嫡にはしていないのだろう」


兄様とお父様の言っていることも分かるけれど、3年は長いと思う。


「これが帝国に対しての落としどころだろう。

違法だと知りながら媚薬や薬を使用してでも王家と縁付きたい者は多くいる。

それはソルトレグス帝国でも同じだよ。

それにオルト嬢の母親のした事をディオリス殿下に教えていなかった国王にも責任がある。教えられていれば彼はオルト嬢をもっと警戒し彼女に利用される事もなかったかもしれないが・・・結局は自分の欲に負けたんだよ」


欲ね~


「・・・分かったわ」


お父様も兄様もこの刑罰に納得している様だし、これが当然だと思っているのならそうなのだろう。




それよりも!


「ジル兄様はいつまでこっち(グラドラ王国)にいられるの?」


「ん?明日にはここを発つよ」


「あ、明日?」


は、早すぎる。

王宮にはもっと滞在していたはず!

分かっている。分かってはいるのよ?

この国に遊びに来たわけではないことは!


でも・・・でも、私はもっとジル兄様と一緒にいたい。


「ユティ・・・僕と一緒に帝国に帰るかい?」


え?


「あ、明日は無理だわ・・・それだとリアにも、エドにもお別れが出来ないもの」


「はははっ、分かっているよ。無理を言ってごめんね」


ジル兄様は笑って冗談にしようとしたけれど、私、気付いちゃった。


そうだよね?

私とジル兄様は繋がっているもの。

お互いが唯一無二の存在だものね。


「夏!夏期休暇まで待っていて!それまでに、いっぱい、いっぱいリアとエドと思い出づくりをするから!・・・それまで私がいなくて寂しくても泣いちゃダメだよ?」


「・・・泣かないよ。でも本当に?本当にいいのか?せっかく仲良しの友達が出来たのだろう?」


「うん、会えなくなるのは寂しいけれど、離れていてもずっと友達だもの」


膝の上の私を痛いくらい抱きしめて「ありがとう」っと・・・




「そうと決まれば、私たちの方も・・・忙しくなるな」


お父様が兄様に何か言っていたけれど、それは小さくて聞き取れなかった。


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