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偽物令嬢と呼ばれても私が本物ですからね  作者: kana


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~ビアンカ・オルト男爵令嬢視点~



やっと帰ってきたわ!

馬車から降りると目の前には以前までわたくしが住んでいた我がラグーナ侯爵家の邸が・・・


懐かしさに涙で目が霞みそうになる。

ここで泣いたりしたらきっと変な目で見られる、グッと歯を食いしばって泣くのを耐えた。


門を潜ると、使用人が一斉に綺麗な礼をして出迎えてくれた。

中には何人か見知った顔も見えた。

これよこれ!

これこそがラグーナ侯爵令嬢として敬われるべきわたくしの居場所よ!


馬車の扉を開けて執事らしき人が手を差し出してくれた。

この中にわたくしが住んでいた時の執事長は居ないみたい。

お父様の傍にいるのかしら?


その執事に案内されたのは以前お気に入りだった大きな窓から庭園が見渡せる応接間だった。

でも、庭から通されたのはなぜ?

この応接間ならエントランスを通ればすぐなのに・・・


すでにあの子と、マキュリー公爵令嬢、オーラント公爵令息、ミロア侯爵子息、バロアー様が集まっていた。

ここに集まっているメンバーの高貴なオーラに圧倒されそうになる。

傍から見ればお父様の血を受け継いだわたくしも高貴なオーラを纏って見えているのでしょうね。

軽く挨拶だけして空いていた席に座る。


よく見ればバロアー様はいつも素敵だけど、一見冷たく見えるオーラント様も、逞しく凛々しいミロア様も密かに女子生徒たちが騒いでいるのも分かるほど見目麗しいわね。


お茶菓子の準備をしに来たのは、わたくしの世話をしてくれていた"ベス"という名の侍女だった。

目が合うと懐かしくて思わず声をかけそうになった。

なのに、ベスは無表情で会釈をするだけでお茶を入れると部屋から退室して行った。

なんなの!あの態度!わたくしがここ(・・)に戻ってきたら躾しなおさないとね!


「ようこそお越しくださいましたオルト嬢。親しい仲の者だけの集まりですので簡単なお茶会ですけれど、どうぞ楽しんで下さいませ」


「・・・ありがとうございます」


ふん!いつまでも令嬢ぶっていい気にならないことね。

わたくしが帰ってきたからには偽物のアンタにはここから出て行ってもらうわ。





普通に始まったお茶会なのに会話に入れないし話も振ってくれない。

だって、会話の中心のバロアー様が話すのはソルトレグス帝国のことばかり・・・興味もないからつまらない。退屈だわ。


それよりも、お父様やレグルス様に早くお会いしたいわ。


そんな事を考えていたらドアをノックする音が・・・あの子が返事をするとわたくしを案内した執事が入室してきた。


「失礼します。バロアー様、レグルス様がお帰りになりました。今からご案内してもよろしいでしょうか」


やった!

レグルス様に会えるわ!


「ああ、お願いする」


「じゃあ、わたくしもご挨拶させてくださる?」


ここは上手く便乗しないとね。


「オルト嬢?お兄様は紹介しないと言いましたよね?」


はあ?ここまで来て会わないなんて有り得ないでしょ!


「え?そんなこと約束していませんわ」


聞いてないフリでシラを切り通すわ。


「・・・約束を守れないなら帰っていただきますわね?」


「それがいいわね。オルト嬢の目当てはレグルス様だったみたいだし!」


マキュリー嬢もレグルス様を狙っているのね!

確かにマキュリー嬢も綺麗な顔立ちだけど、こんな傲慢な令嬢はレグルス様に相応しくないわ!


「忙しいレグルス殿は約束のない人とは会わない」


オーラント様までそんな事を言うの?


「約束が守れないならオルト嬢は帰るしかないよね?これでもう二度とラグーナ侯爵家に呼ばれることはないだろうけどね」


バロアー様まで・・・

それに二度と呼ばれない?


「な、何を言っているの?ここはわたくしの家なのよ?わたくしの部屋だってあるわ!」


なぜ皆んなそんな目で見るの?


応接間にベスの他に騎士たちも入ってきた。


「嘘じゃないわ!わたくしがラグーナ侯爵家の本当の娘なのよ!ベス!本当の事を皆んなに教えてあげて!」


ベス!なぜ黙っているの?


「違うわ・・・貴女はたった7ヶ月間だけラグーナ侯爵家にお父様の娘だと偽って入り込んだだけの侵入者よ」


「嘘よ!お母様と一緒に迎え入れてもらったもの!わたくしの部屋にはお父様から与えられたドレスも宝石もあるわ!」


「・・・それも元は全部私の物をオルト嬢のお母様が嘘をついて貴女に与えたものよ」


「嘘よ!嘘!そんな事信じない!お父様を呼んで!お父様ならわたくしを認めてくれるわ!」






「私にはレグルスとユティフローラの2人しか子供はいない。君は私とは赤の他人だ!」


振り向けばお父様(・・・)が嫌悪感剥き出しで立っていた・・・


「お、お父様(・・・)・・・」


「君にお父様と呼ばれる筋合いはない!」


・・・嘘よ

本物はわたくしよ?

あの子は偽物なのよ?


「だ、だって、わたくしは髪色も瞳の色もお父様と同じ・・・よ?」





黙って庭園に続くガラス扉を開き、太陽の陽射しを浴びたお父様の髪色は濃紺だった・・・

瞳の色もサファイアブルーの宝石のような・・・


黒髪にただのブルーの瞳のわたくしとは全然違った・・・

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