表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
偽物令嬢と呼ばれても私が本物ですからね  作者: kana


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

27/58

27

~ビアンカ・オルト男爵令嬢視点~


次の日にはお父様が用意してくれたという可愛らしい部屋を与えられて、部屋の中にあるドレスも宝飾品もすべてがわたくしの物になった。


当然よね?

だってあの子は平民の子ですもの。


あの子が貴族の娘に見えたのも、メイドに髪を手入れされて、綺麗なドレスを着れば例え平民だろうと、それなりになるからだったのね。


その日からあの子の姿を見ることはなくなった。


お母様に聞けば『あの娘に相応しい場所に行ったのよ』と教えてくれた。


それからの日々は男爵家にいた頃と全然違った。

身体も髪も毎日磨かれ、自分でも日に日に綺麗になっていると実感できた。

男爵家にいた頃と比べられない程贅沢な暮らし。

この生活をあの子に奪われていたのかと思うと、許せるはずも無くお父様が帰ってきたらラグーナ侯爵家からあの子を追い出してとお願いすると決めた。


高位貴族の令嬢らしく作法も習い、お父様が帰ってきた時には褒めてもらうために頑張った。


それなのに、お父様がせっかく帰ってきても

今の作法では侯爵令嬢として未熟だからもっと学んでからと言ってお母様は会わせてくれなかった。


お父様に会いたくて頑張り続けたのに・・・


お父様の2回目の帰国の時も、部屋から出てはダメだと言われていたけれどメイド達に紛れてこっそり見たの。


わたくしと同じ黒い髪に同じ青い目。

わたくしはお父様の色を受け継いでる!

背が高くて、引き締まった身体。

何よりも整った顔。


お父様の次の帰国には完璧な令嬢になって驚かせる。

お父様が自慢できるような娘になっている。

そう心に誓って本当に作法も勉強も頑張ったの。



なのに・・・


突然侯爵邸が騒がしくなったと思ったら、部屋に騎士が入ってきてわたくしを拘束し、お母様と一緒に光の差し込まない、真っ暗な地下室に閉じ込められた。


何が起きているのか分からず、お母様に問い詰めても何も言ってくれない。


なに?

なぜラグーナ侯爵令嬢である、わたくしがこんな所に入れられるの?


そこでは、お風呂にも入れないし食事もパンとスープだけ。

ベッドなんてないから床で寝るしかなく、毛布すら与えられなかった。


義理兄が留学から帰ってきたと、食事を持ってきた男が教えてくれた。

庶子の義理兄が、本当のラグーナ侯爵家の娘であるわたくしを妬んで意地悪をしたのだと思った。


早く帰ってきてお父様。

わたくしをここから助けだして。



先に地下室から助け出されたのはお母様だった。


真っ暗な地下室に取り残され、話し相手もいなくて不安と恐怖でおかしくなりそうだった。

許さない!絶対に許さない!

義理兄とあの子だけは絶対に許さない!

同じ目に遭わせてやる!


朝なのか、昼なのか、それとも夜なのか、ここに閉じ込められて何日経ったのかも分からず、義理兄とあの子を恨み続けていた。





地下室の扉を開けて入ってきたのは騎士だった。

お父様が助けに来てくれたのね。

やっと会える。

義理兄とあの子のした事を言って、ここに閉じ込めてもらおう。

そう思っていたのに・・・


わたくしは騎士に馬車に押し込められ、おじさんの男爵家に連れて行かれた。

出迎えたおじさんはわたくしを抱き締めようと手を広げて近づいできたが、突き飛ばしてやった。


なぜここに戻ってくるのよ?

お母様だって二度と戻らないと言っていたのに。

それにお母様は何処なの?

まだ、お父様に会っていないわ!


わたくしは男爵家で使っていた部屋に閉じこもってお父様とお母様に会わせてと何度もおじさんに頼んだけれど、『それは出来ないんだよ。君はラグーナ侯爵家とは何の関係もない僕の娘なんだよ』と馬鹿な事を言う。


『嘘をつかないで!わたくしのお父様はラグーナ侯爵よ!あんたみたいな冴えない男は黙ってなさい!』


あの時のおじさんは凄く傷ついた顔をしていたと思う。


おじさんが部屋の前であの子が本当のラグーナ侯爵の娘だと何度も言ってくるけど、そんなハズはない。わたくしが本物の娘なのよ!

わたくしを追い出したのはきっとあの子。

卑怯な手を使ってお父様をわたくしから奪ったのよ。

偽物のクセに!


おじさんは他にもお母様と二度と会えないと言っていた。

遠いところに行ったと言う。


まさかお母様まであの子に奪われたの?

それともお母様はわたくしを捨てて、遠くに行ってしまったの?


わたくしはこのまま男爵家の名を名乗らないといけないの?


許さない!許さない!許さない!

あの子に何もかも奪われた。


お母様があの子を紹介する時に、わたくしの事を義妹だと言っていたわ!

あの子がわたくしを年下だと思っているなら、先に入学してあの子が偽物だって、わたくしが本物だって少しづつ広めたらきっとお父様の耳にも入るはず。

お父様だって、わたくしを一目見たら娘だって分かるはずよ。

だってわたくしはこんなにもお父様とそっくりなんだもの。


今度こそ、憎き義理兄とあの子をラグーナ侯爵家から追い出してやる。


そう思っていたのに・・・




社交界に現れたわたくしの理想を体現したような方が血の繋がらない義理兄だったなんて・・・

彼が欲しい。



彼のしたことは許すわ。

だからラグーナ侯爵家から追い出すのはあの子だけ。


彼こそがわたくしの運命の相手だわ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ