クリスマス短編集 かけがえのないプレゼント
かけがいのないプレゼント
今日はクリスマス。
僕はクリスマスが大好きだ。
12月。いつもの景色が雪化粧をしなんだか特別な気持ちになる。
ウキウキして、ワクワクして、ちょっと切なくて、そんな12月の空気が大好き
だ。
僕のうちはクリスマスになると飾りつけも一大イベントだ。
庭にあるツリーにイルミネーションをつけ様々な飾りをつける。
お父さんとお母さんも休みの日も休日にみんなでやるんだ。
ケーキは毎年お母さんが手作りで僕も手伝う。
ホイップはいつも手がつかれて大変だけどその分自分で作ったケーキはとても
おいし感じる。
そして何よりクリスマスプレゼントだ。
今年はサンタさんに僕の欲しかったおもちゃを頼んだ。
ちゃんと手紙も書いたんだ。
「
こんばんは。
サンタさんいつも寒いのに僕たちの荷物を届けてくれてありがとう
僕はいい子にしていました。
お母さんのゆうことはちゃんと聞いたし
家のお手伝いもたくさんしました。
だから僕に新発売のおもちゃをください。
お願いします。
寒いだろうけど頑張ってください。
」
これを書いている途中心が痛むことがあった。
それは僕のクラスにいる僕の友達で家が貧乏なのでクリスマスプレゼントをも
らったことがないという。
クリスマスもあまり楽しみじゃないという。
サンタさんはみんなに来るものだとそう思っていたけど。そんな思いを胸に手紙をお父さんに渡す
「お願いね」
「わかったよ。ちゃんと届ける。」
その夜クリスマスは例年どうり楽しかった。
お母さんがピアノを弾いてみんなでクリスマスの歌をうたったり
ケーキやチキンを食べたり。
とても楽しかった。
そして夜になった。
お父さんが寝ていないとサンタさんは来ないというので
僕は一生懸命寝る努力をした。
いつのまにか寝ていたみたい。
夜中たまたま目が覚めてしまった。
するとなんとサンタさんが窓から入ろうとしているではないか!
夢かと思って目をこすった。
「サンタさん?」
「ほっほっほ。メリークリスマス。いい子にしてたかな?」
「やった。来てくれたんだ。うん。僕ちゃんといい子にしていたよ。」
「素晴らしい。」
そこでクリスマスがこない僕の友達のことを思い出した。
「あの、サンタさん。」
「うん?どうしたんだい?」
「サンタさんはみんなのところに行くよね」
「もちろん。」
「僕の友達貧乏でプレゼントが今までもらったことがないんだ。」
「サンタさん、その子のところも忘れないでね。」
するとサンタはその大きな手で僕の頭をなでると
「大丈夫。クリスマスは誰の元にも平等にやってる。」
「約束だよ。」
「ああ。」
そして僕は安心して眠ることができた。
次の日その友達にプレゼントは来なかった。
僕は裏切られたような気持になった。そしてサンタのことが嫌いになった。
そしてその友達とはクリスマスの話を避けるようにしてその日は過ごした。
その夜。サンタさんからもらったおもちゃで遊んでいると。
なんだろう。このもやもやは。
僕は毎年プレゼントをもらえるのに何で来ない子がいるんだろう。
よし、決めた。
雪景色の中僕はその友達を呼び出した。
今日も雪が降っている。
友達は寒そうにしながらやってきた。
「はい。クリスマスプレゼント。」
「え?」
「サンタが言ってたんだ。クリスマスは平等にやってくるって。」
「君にも。やってきたでしょ。」
「それ君が欲しがってた新作のおもちゃじゃないか」
「いいんだ。僕は。」
「いいのかい。僕にくれて。」
「いいんだ。」
「僕何も返せない」
「僕はいつも君からたくさん大切なものをもらってる。それに比べればささいな
ものさ。だからいいんだ。」
「ありがとう」
すると空から鈴の音が。
シャンシャンシャンシャン。
2人は空を見上げる。
大きな月にトナカイとそりの影。
「サンタさんだ!」
僕は約束を守らなかったサンタが嫌いになっていた。
サンタは僕らのもとに降りると
「ほっほっほ。メリークリスマス。」
ぼくはうつむいてサンタさんのほうを見ないようにしていた。
「いいものをみせてもらったよ。二人とも。」
「え?」
「君らの友情に。君にも改めてプレゼントを。一日遅れてしまったね。」
そこで同じ新作のおもちゃを袋から取り出すと、その子に渡した。
「あ、」
「メリークリスマス。」
「僕はねいろんなプレゼントを頼まれることがあるけど、一つだけあげられない
ものがあるんだ。それは何かわかるかい」
「お金?」
「ほっほっほ!ちょっと違うかな。それはね人とのつながりだよ。」
僕らのお揃いのおもちゃをみてサンタさんは微笑む。
「さあ、こんな素敵な夜は特別な夜にしたくないかい?」
「え?」
「さあ、子供たち!ぱじゃまのままでいい。出てきなさい。今日は特別な夜だ。
二人の友情に子供だけの夜をプレゼントしよう。」
すると窓から玄関から家という家から子供たちが出てくる。
子供たちがおのおののクリスマスプレゼントをもって走ってくる。
わー、キャー!
その夜、大きな月の下、なぜか不思議と温かい雪が降り、子供帯の叫び声や笑い
声が一晩中聞こえたとさ。
ーーーーーーーーーーー世の中の子供たちよ勇気を持て。それきっと何より素晴
らしいクリスマスを君にもたらす。ーーーーーーーーーーー