雨音とシナトラ
よろしくお願いします。
午後二十三時五十三分現在
新発売の水色と黄色のハイボールとビールの息子と
それぞれ百六十円もしない鶏皮とやげんなんこつを
でっぷりと肥えた腹の中に乱雑に放った
TVの中のシナトラはいつ聴いても甘ったるい声で
何の希望も持てていない僕の心にとろりと溶けて
少し瞼が重い僕は
自らの冒険をここにぽちぽちと打ち込んでいて
このままぼくはながされてながれてしまうのか
誰にも認められないのか
その不安はいつか僕を殺すのか
そんなことをただただ考える
僕はこの重荷を負って明日も生きてみる