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「赤の具象」
「林檎は赤く赤はおんなの具象」
透きとおり透きとおり赤がながれ
君の脣の様にひらいた穴が空洞をながす
まちはがらんどう空洞で風だけをながす
僕は靴で君のうえを歩くよ
君は風と赤をながす空洞だ
君は空洞と風をながす赤のまちだ
「林檎は赤く赤いから林檎だ」
赤く赤く空洞が透きとおり透きとおる
君の死んだ脣が風と空洞を透きとおらせる
「風は赤い赤いから風」
空洞のなかに風がながれている
僕という靴が其処の底をながれている
「林檎は空洞に透きとおる具象のおんな」