18/23
「毒聖画」
おれのからだは毒素をはらんでいて
君の身を破壊するけれど
良いよね
ゆめの先に都があるから
睡たくなったら其処へいこう
おれの芽胞が君を面や円
それも美しい繊毛のはえたやつへと
繚乱さしていけば
さびしくなどはないし
おれも赤い水を崩して直ぐ様
噴水に変わり果てる
ほら光の環をすはだかな神経にいくつも
いくつも通してやろう
山脈が生る様だろう
幹が千本も万本も毀れていく様だろう
鉛刀一割に月をくだいて
おれと君は溟いそらの
悪癘そのものと成ろう
良いよね
君の身を破壊するけれど
破瓜といえそうな烈しく靭い毒の雫の尖り
針をはらんでいるおれのからだだ
君の身を破壊するけれど
良いよね
ほら光の環をすはだかな冥闇へいくつも
いくつも刻んでやろう
おれと君は天使になり
飛翔するんだ
おれと君は毒の潭月をはらんでいる