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「訛音のつばさ」
ずぶずぶと訛音のつばさ影をたたく
風邪をひいてマスクをしている人面
其れも色をもった丈や量へ繚乱する
わたくしの枯れ葉は燃えないだろう
時間のつみかさなりを糸切りした為
其れからだれがわたくしを識るのか
不粋なほどの光線が眼に踏みいる為
なみださえ機能せず流涕をやすんだ
其のかわりつよい官能が林檎に成る
わたくしは浮遊するくろいぬや円と
くだを巻いている螺旋結晶の様にだ
淋びしくはないかわりにつよい純愛
砂時計が一器のばしている金烏の翅
砂林檎が一果そめていくままに潭月
かざみどりの様な訛音また屋烏の愛
LOVE
其れだけのはなし